春から秋はヘビの活動が活発になり、河川敷や山道、田畑、草むらなどで犬が咬まれる事故が発生します。特に犬は地面のにおいを嗅ぐため、顔や鼻、前足を咬まれることが多くあります。
ヘビに咬まれた傷は小さく見えても、毒ヘビの場合は数十分で大きく腫れたり、血液や腎臓に障害が起こったりすることがあります。「傷が小さいから大丈夫」と自己判断せず、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
犬がヘビに咬まれたら最初にすること
まず犬をヘビから離し、首輪やハーネスは、腫れで首を圧迫する前に外しておきましょう。小型犬は抱っこ、大型犬はできるだけ歩かせず車で病院へ向かいます。
やってはいけない応急処置
昔から言われている民間療法には、現在では勧められていないものがあります。
- 傷口を口で吸う
- 傷口を切る
- 足をひもで強く縛る
- 強く揉む
- 氷で長時間冷やす
- ヘビを捕まえようとする
これらは組織の障害や感染を悪化させたり、飼い主さん自身が咬まれたりする危険があります。
どんな症状が出る?
毒ヘビに咬まれると、次のような症状がみられます。
- 急に鳴く
- 顔や足が急速に腫れる
- 強い痛み
- 出血
- 元気がない
- 食欲がない
- よだれが多い
- 呼吸が速い
- 嘔吐
- ふらつく
顔や首を咬まれた場合は、腫れによって呼吸が苦しくなることもあります。
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動物病院で行う治療
まず呼吸や血圧など全身状態を確認し、必要に応じて酸素吸入や点滴を行います。
血液検査では、貧血、血液凝固異常、腎障害などが起きていないかを調べます。
治療は症状に応じて行われ、主に次のような内容になります。
- 点滴
- 痛み止め
- 傷の洗浄
- 腫れや感染への治療
- 血液検査による経過観察
重症例では、抗毒素血清の使用が検討されることもあります。ただし、副作用の危険性もあるため、すべての犬に使用されるわけではありません。
ヘビに咬まれないために
春から秋は、草むらや河川敷、石垣、落ち葉の多い場所では犬を自由に歩かせないようにしましょう。
散歩ではリードを短く持ち、犬が草むらへ顔を入れないよう注意します。夜間はライトで足元を確認し、ヘビを見つけても近づかず、大きく迂回してください。
まとめ
犬がヘビに咬まれた場合は、慌てず犬を安静にし、できるだけ早く動物病院を受診することが何より重要です。
毒を吸ったり、傷を切ったり、強く縛ったりする処置は行わないでください。
症状が軽く見えても、数時間後に重症化することがあります。「ヘビに咬まれたかもしれない」と思った時点で獣医師へ相談してください。
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