AVHTM Transfusion Reaction Small Animal Consensus Statement (TRACS) Part 2 2021を読んで

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

輸血反応の予防と、輸血中のモニタリングについてまとめたコンセンサスステートメントです。

再輸血ではクロスマッチが必要

再輸血では、犬は前回の輸血から4日を超えた場合、猫では2日を超えた場合にクロスマッチが必要になります。

初回輸血によって新たな同種抗体ができる可能性があり、その後に不適合な血液を輸血すると、輸血した赤血球が溶血・排除される可能性があります。

最初の15分はゆっくり輸血する

明確なエビデンスはないようですが、患者の状態が許せば最初の15分はゆっくり血液を投与し、問題がなければその後速度を上げます。

人医療のガイドラインでは、全体として4時間以内に輸血を終了する方法が示されています。ただし、この4時間という数字は獣医で直接検証されたものではありません。

蠕動式・ロータリー式ポンプは避ける

犬の赤血球輸血では、蠕動式・ロータリー式ポンプを避けることが勧められています。

機械的な負荷によって、とくに保存赤血球の溶血が増える可能性があるためです。重力滴下や、評価済みのポンプを使用する方がよいとされています。

輸血中はモニタリングする

このガイドラインには、輸血モニタリング用紙が掲載されています。

輸血前から、開始5分、15分、30分、60分、その後も経時的に、体温、呼吸数、脈拍、粘膜色、血圧などを確認します。麻酔モニターを使用するといいですね。

一般臨床ですべてをそのまま行うのは大変ですが、少なくとも輸血前の状態を確認し、開始直後、とくに最初の15分をよく観察することは重要です。

モニタリング用紙を使うことで、輸血反応を早期に発見しやすくなります。

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