執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
月4,000円、診療費の50%を補償するペット保険に、15年間加入するとします。
単純計算してみましょう。
- 保険料:月4,000円
- 加入期間:15年間(180か月)
- 補償割合:50%
まず、15年間に支払う保険料の総額は、
4,000円 × 180か月 = 72万円
です。
50%補償なので、支払った保険料72万円と同額の保険金を受け取るには、補償対象となる診療費が、
72万円 ÷ 0.5 = 144万円
必要になります。
結論
15年間の補償対象診療費が144万円を超えると、単純計算では、支払った保険料よりも受け取る保険金の方が多くなります。
ただし、実際の保険には、
- 免責金額
- 1日あたりの支払限度額
- 年間の支払限度額や利用回数
- 補償対象外となる病気や治療
- 年齢による保険料の上昇
- 更新条件
などがあります。
そのため、実際に元を取るには、144万円より多くの診療費が必要になる可能性があります。
また、保険に入ったからといって、診療費が安くなるわけではありません。
例えば1万円の診療を受けて5,000円が補償されても、家計から5,000円が出ていくことに変わりはありません。保険があるからと不要な受診や検査を増やせば、支出はかえって増えます。
一方で、必要な受診まで我慢すると、病気が進行して治療費が高くなることもあります。
家計を守るために大切なのは、動物病院へ行く回数を最小限にすることではなく、必要な受診は遅らせず、保険があることを理由に不要な医療を増やさないことです。
ペット保険は、加入者が平均的に得をするための商品ではありません。
大きな治療費が突然発生したときに備え、支出を平準化し、治療の選択肢を残すためのものです。得か損かだけでなく、急に数十万円の支払いが必要になったとき、自分の貯蓄で対応できるかを基準に考える必要があります。
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▼ 関連項目
→ ペット保険は入った方がいい?向いている家庭と選び方の基本