USP <795>は、非無菌製剤の院内調剤について定めた基準です。内容は、スタッフ教育、手洗い・服装、調剤スペース、清掃、器具、原材料、調製記録、ラベル、BUD(調製後使用期限)、SOP、品質管理、輸送、苦情・有害事象、記録保存まで幅広く含まれています。
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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
調剤も「見て覚える」だけでは不十分
調剤を担当するスタッフは、最初に教育を受け、実際に正しくできることを確認してから単独で行います。
見てもらう → 指導を受けながら自分で行う → 監督下で実施する → 能力が確認されてから単独で行う
という流れです。さらに、能力は少なくとも12か月ごとに再確認します。
調剤する場所を決める
非無菌調剤でも、専用の調剤スペースを決めます。独立した部屋までは必要ありませんが、調剤中は他の作業を行わず、清潔で整理された場所を確保します。
また、すべての調剤で手袋を使用します。保管場所の温度も記録し、薬剤や原料が適切な条件で保存されていることを確認します。
調剤台は薬が変わるたびに清掃する
作業台は勤務開始時と終了時だけでなく、異なる成分の薬を調製する間にも清掃・消毒します。
秤などの器具は定期的に精度を確認します。また、錠剤の粉砕など粉塵が発生する作業では、スタッフへの曝露や他の薬への交差汚染にも注意します。
原料についても、供給元、ロット、期限、品質などを管理します。
「標準レシピ」と「今回の調剤記録」を残す
同じ薬を毎回同じ方法で作れるように、Master Formulation Recordという標準的な調製手順を作ります。
さらに、実際に調製するたびにCompounding Recordを作成し、調製日、使用した原料とロット、量、作製者、調製後使用期限、保存条件などを記録します。
院内調剤でも、簡単な調剤記録簿を作っておくのがよさそうです。
ラベルには調製後使用期限と保存条件まで書く
ラベルには薬剤名や濃度だけでなく、BUDと保存条件も記載します。
調製後使用期限はメーカーが設定した使用期限とは別物で、調製してから「いつまで使用できるか」を示す期限です。
この2019年版USP <795>では、個別の安定性データなどがない場合の最大調製後使用期限として、
保存剤なし水性製剤:14日、冷蔵
保存剤あり水性製剤:35日
非水性製剤:90日
固形製剤:180日
とされています。
これまで院内調剤では「正しい量を入れて作る」ことに目が向きがちでしたが、USP <795>を読むと、誰が作っても同じ品質になり、後から何を使ってどう作ったか追跡できる仕組みを作ることが重要なのだと感じました。
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