犬がカエルをくわえた・食べた|ヒキガエル中毒と寄生虫に注意

執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

犬は散歩中や庭で、カエルをくわえたり食べたりすることがあります。特に注意したいのがヒキガエルです。皮膚から出る毒が口の粘膜から吸収されると、短時間で重い中毒症状を起こします。また、飲み込んだ場合は寄生虫感染にも注意が必要です。

犬がカエルをくわえたら、まずすること

まず、可能な範囲でカエルを口から離します。無理に手を奥まで入れると、かまれたり、さらに飲み込ませたりする危険があります。

犬の意識がはっきりしていれば、ぬらした布やガーゼで、歯ぐき、舌、頬の内側を繰り返し拭き取ります。水で洗う場合は顔を下向きにし、口の横から外へ流してください。喉の奥へ勢いよく水を入れると、毒を含む水を吸い込むおそれがあります。

ぐったりしている、けいれんしている、意識が悪い場合は、無理に口を洗わず、すぐに動物病院へ向かってください。自宅で吐かせたり、塩水、オキシドール、牛乳などを飲ませたりしてはいけません。
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ヒキガエル中毒で見られる症状

接触直後から、大量のよだれや泡、頭を振る、前足で口をこする、歯ぐきや舌が赤くなる、嘔吐などが見られます。

重症化すると、ふらつき、震え、けいれん、呼吸困難、不整脈、意識消失などが起こります。口を洗っただけで様子を見ず、動物病院へ電話してください。

受診時には、接触した時刻、飲み込んだ可能性、現在の症状、犬の体重を伝えます。安全に撮影できた場合は、カエルの写真も役立ちます。
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動物病院で行う治療

動物病院では、口の洗浄、点滴、酸素吸入、心電図による不整脈の監視、けいれんへの治療などを行います。一般的に使える専用の解毒剤はなく、心臓や神経の症状を支える治療が中心です。

カエルを食べた場合は寄生虫にも注意

カエルを飲み込むと、マンソン裂頭条虫などに感染する可能性があります。無症状のこともありますが、下痢、嘔吐、体重減少、便や吐いたものに白く平たい虫体が混じることがあります。

食べた直後の便検査では、まだ虫卵が出ないことがあります。検査の時期や駆虫の必要性は獣医師に相談してください。カエルに触れただけで、この寄生虫に感染するわけではありません。

カエルを飲み込んだ場合は、中毒症状がなくても、飲み込んだ時刻やカエルの特徴を動物病院へ伝えてください。

寄生虫は、食べた直後の便検査では確認できない場合があるため、検査の時期や駆虫の必要性を獣医師と相談します。

まとめ

犬がカエルをくわえた場合、特にヒキガエルでは短時間で中毒症状が現れる可能性があります。

意識がはっきりしていれば口の中を拭き取るか、顔を下向きにして口の横から水を流し、すぐに動物病院へ連絡してください。ぐったりしている、けいれんしている、呼吸が苦しい場合は、無理に口を洗わず、そのまま動物病院へ向かいます。

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