クリスマスの時期によく見かけるポインセチア。「犬が食べると危険」と聞いたことがある方も多いかもしれません。
しかし、ポインセチアは犬にとって強い毒性を持つ植物ではありません。誤食しても、多くの場合は口や胃腸への軽い刺激による症状にとどまります。
執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
ポインセチアは犬に猛毒ではありません
ポインセチアの葉や茎を傷つけると、乳白色の樹液が出ます。この樹液には粘膜を刺激する成分が含まれているため、犬が噛んだり食べたりすると、
・よだれが増える
・口を気にする、顔をこする
・吐き気、嘔吐
・食欲低下
・軟便、下痢
などがみられることがあります。
ただし、一般的には軽度で一過性です。ポインセチアを食べたからといって、腎不全や肝不全を起こして死亡するような中毒を心配する必要は通常ありません。
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食べてしまったときはどうする?
まず、残っている植物を犬から取り上げます。口の中に葉や茎が残っていれば、無理のない範囲で取り除いてください。
口の周囲や被毛に白い樹液が付着している場合は、水で優しく洗い流します。
その後、元気や食欲、嘔吐や下痢の有無を観察します。少量をかじっただけで症状がなければ、慌てて処置をする必要はないことが多いでしょう。
家庭で無理に吐かせないでください
ポインセチアそのものより注意したいのが、家庭で無理に吐かせることです。
塩を大量に飲ませる方法は、高ナトリウム血症を起こし、痙攣や意識障害など重い中毒につながる危険があります。
また、オキシドール(過酸化水素水)も胃粘膜を傷つけ、出血性胃炎や潰瘍を起こすことがあります。
指を喉に入れる、油を飲ませるといった方法も、誤嚥やけがにつながるため行わないでください。
こんな場合は動物病院へ
少量のポインセチアをかじった程度なら、経過観察で済むことが多いですが、
・何度も吐く
・水を飲んでも吐く
・ぐったりしている
・血を吐く、血便が出る
・強い腹痛がある
・呼吸がおかしい
・ポインセチア以外の植物や飾りも食べた可能性がある
といった場合は、動物病院に相談してください。
特にクリスマスの時期は、植物だけでなく、リボン、ひも、オーナメント、鶏の骨、チョコレートなどを同時に誤食している可能性があります。
ポインセチアより「自己流の処置」に注意
ポインセチアは「犬にとって猛毒」というイメージがありますが、実際には毒性は比較的軽く、多くは軽い口腔・胃腸刺激にとどまります。
食べてしまった場合は、植物を取り上げ、口についた樹液を洗い流して様子をみます。
そして何より、塩やオキシドールを使って家庭で吐かせないことが重要です。
心配なときは、食べた植物の写真や残っている葉を確認できるようにして、かかりつけの動物病院へ相談してください。
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