ISFM Consensus Guidelines on the Collection and Administration of Blood and Blood Products in Cats 2021を読んで

猫の扱いの変化、猫特有の輸血の注意がありました。

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

猫では初回輸血でも血液型不適合反応が起こる

犬では初回輸血なら重い血液型不適合反応を起こしにくいのに対し、猫では初回輸血でも血液型不適合反応が起こり得ます。猫では、自分にない血液型抗原に対する自然同種抗体が生後6~8週頃から形成されるようです。特にB型猫は強い抗A抗体を持つため、A型血の輸血は危険です。

血液型が合っていてもクロスマッチは必要

また、AB血液型が一致していても、それ以外の赤血球抗原があります。輸血歴のない猫でも、7%でクロスマッチ不適合がみられた報告があります。そのため、猫では血液型判定だけでなく、クロスマッチも行った方が安全です。

緊急時には簡易クロスマッチも可能です。通常のクロスマッチは赤血球を洗浄しますが、簡易クロスマッチでは洗浄しません。主反応はレシピエントの血漿2滴とドナーの血球1滴。副反応はドナーの血漿2滴とレシピエントの血球1滴。スライド上で血液を混ぜ、1分以内に凝集を判定します。5分以上たつと乾燥によって連銭形成が起こることがあるため、時間をかけすぎないことも大切だそう。

輸血するかどうかはPCVだけでは決めない

輸血するかどうかは、PCVだけでは決めません。臨床症状、貧血の進行速度、出血の有無、基礎疾患などを含めて判断します。「PCVが何%なら必ず輸血」という明確な基準はありません。

ドナー猫の採血には鎮静や全身麻酔を使う

ドナー猫では、採血時に鎮静や全身麻酔を使用することが一般的です。ここでも局所麻酔クリームやフェロモンによるストレス軽減に言及されていました。

薬剤では、メデトミジンなどのα2作動薬、プロポフォール、ケタミン単独は避ける方向です。アルファキサロン+ブトルファノールは心肺への影響が比較的小さく、覚醒も比較的速いため使いやすそうです。

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