AAFP/AAHA Antimicrobial Stewardship Guidelines 2022を読んで

抗菌薬の適正使用についてまとめたガイドラインです。

発熱したら抗菌薬、白血球が高ければ抗菌薬、という単純な判断ではなく、「この症例、本当に細菌感染?」と一度考えることが、このガイドラインの出発点だと思います。

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

抗菌薬を使う前に、まず感染を防ぐ努力を

「感染したら抗菌薬」ではなく、そもそも感染させないことを考え、本当に細菌感染なのかを判断し、必要なら適切な抗菌薬を使い、その効果を確認する、という流れです。

ワクチン、衛生管理、適切な飼育環境なども、抗菌薬の適正使用の一部として考えられています。

急性下痢では抗菌薬を使わないことも多い

多くの急性下痢は病原性細菌によるものではなく、自然に改善します。

そのため、抗菌薬を投与しても回復を早めるとは限らず、むしろ腸内細菌叢を乱してdysbiosisを起こす可能性があります。

急性下痢では、抗菌薬よりも食事療法や支持療法を優先する、という考え方です。

すぐに抗菌薬を使わず、経過を見る

細菌感染かどうかはっきりしない場合には、すぐに抗菌薬を処方せず経過を見る「watchful waiting」も正式な選択肢として示されています。

ただ何もしないのではなく、どのような変化があれば再診するのかを飼い主さんに説明したうえで経過を見ます。

抗菌薬を始めたら48~72時間後に見直す

もう一つ印象的だったのが「antimicrobial time-out」です。

抗菌薬を開始して48~72時間後に、培養・感受性試験の結果や患者の反応、現在の状態を確認し、本当にこの抗菌薬を続ける必要があるのかを再評価します。

一度抗菌薬を始めたら、そのまま最後まで使うのではなく、途中で「まだ必要か?」と考え直すわけです。

抗菌薬の適正使用とは、単に抗菌薬を減らすことではなく、必要な症例には適切に使い、必要のない症例には使わないことなのだと思います。

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