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ペット保険にも、保険金詐欺という問題があります。
飼主側で考えると、誘惑が生じやすいのは「病気が見つかってから保険に入る」というケースでしょう。
ただし、保険加入前にすでに発症していた病気は、原則として補償対象になりません。また加入時には、現在の病気や過去の治療歴などを正しく申告する「告知義務」があります。事実と異なる告知をした場合には、保険金が支払われなかったり、契約が解除されたりすることがあります。
もちろん、すべてが意図的な詐欺とは限りません。
以前、皮膚病を繰り返している犬について、皮膚病は補償されないことを承知した上で「それ以外の病気に備えて」ペット保険に加入したという話を聞いたことがあります。その後、動物病院を変えた際、新しい病院で皮膚病の診療にも窓口精算を使ってしまったそうです。
こうした場合、単なる勘違いや確認不足ということもあるでしょう。ただし、加入時に皮膚病を申告し、特定の病気が補償対象外となっているのであれば、最終的には保険会社の審査で支払い対象外になる可能性があります。
保険会社は必要に応じて、獣医師や動物病院に診療内容を照会し、加入時の告知内容や保険金請求の内容を確認することがあります。実際、告知書にも動物病院への診療記録の照会について記載されています。
動物病院側の不正
動物病院側にも、不正請求の可能性はあります。
実際には行っていない診療を請求する「架空請求」、実際より診療内容を増やす「水増し請求」、保険に入っていない別の動物の診療費を請求する「替玉請求」などが、保険会社から不正請求の例として挙げられています。
こうした不正は、統計データを使うことで発見しやすくなると思います。
例えば、
加入直後の手術率が異常に高い
特定の手術や検査だけが他院より著しく多い
同じ地域、同規模の動物病院と比べて保険請求額が突出している
といった病院は、統計的には外れ値として抽出できます。
もちろん、専門性の高い病院では手術件数が多いなど、正当な理由もあります。そのため、数字だけで不正と判断することはできませんが、不自然なパターンを見つける手段にはなるでしょう。
保険会社側にも問題は起こりうる
一方で、保険会社側についても、保険金が支払われなかったときに「本当に約款どおりの判断なのか」という問題が生じることがあります。
ただし、これは直ちに「保険会社の不正」という話ではありません。
加入前から存在していた病気なのか、加入後に新しく発症した病気なのか。既往症との関連性があるのか。こうした判断にはグレーゾーンもあり、飼主と保険会社の認識が食い違うこともあります。
したがって、
飼主による虚偽申告や不正請求
動物病院による不正請求
保険会社と契約者との支払いをめぐるトラブル
と、いずれにも問題が起きる可能性がある。
ペットを迎えたら早めに考える
飼主側として一番すっきりしているのは、病気になってから保険を考えるのではなく、ペットと暮らし始めた時点で、
ペット保険に入るのか
入らずに医療費を積み立てるのか
を考えておくことだと思います。
病気が見つかってから加入しようとすると、「これは申告しなければならないのか」「この病気とは関係ないから請求してもよいのか」といった迷いが生じやすくなります。
飼主、動物病院、保険会社のどこかが制度を悪用すれば、最終的には保険料の上昇などを通じて、まじめに利用している人にも影響します。
ペット保険について考えると、結局のところ大切なのは、
「得をするか、損をするか」
だけではなく、
「最初から正しく申告し、ルールどおりに利用する」
という、ごく普通のコンプライアンスなのだと思います。
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