尿路結石の治療は、従来の外科手術中心から、内科的溶解、結石破砕、内視鏡による摘出など、複数の治療方法から選択する時代になっています。
基本的な考え方は、患者への侵襲が少ない治療を優先することです。
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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
膀胱結石は、まず内科的溶解を検討する
ストルバイト結石は、原則として内科的溶解を推奨しています。
尿酸塩結石やシスチン結石も、条件が整えば内科的溶解を検討できます。ただし、ストルバイト結石ほど確実に溶解するわけではありません。
症状のある膀胱結石では、できるだけ侵襲の少ない方法で除去します。
内視鏡による回収や結石破砕が可能であれば、膀胱切開より優先して検討します。
無症状の膀胱結石は、必ずしも摘出しなくてよい
無症状で、尿道閉塞を起こす危険性が低い結石は、経過観察でも構いません。
一方、尿道に入り込んで閉塞を起こす可能性が高い結石は、無症状でも除去または溶解を検討します。
結石の大きさだけでなく、尿道との相対的な大きさや形状が重要です。
尿道切開はできるだけ避ける
尿道結石では、結石破砕やバスケットによる回収を推奨しています。
それが難しい場合には、結石を膀胱へ押し戻して摘出する方法もあります。
尿道切開や尿道造瘻は、尿道狭窄、尿漏れ、出血、尿路感染などの合併症があるため、できるだけ避けます。
ただし、閉塞を繰り返す症例などでは必要になる場合があります。
腎結石は、問題がある場合だけ治療する
腎結石が存在するだけでは、治療の適応になりません。
尿路閉塞、繰り返す感染、疼痛、腎実質への圧迫などがある場合に治療を検討します。
無症状で腎機能に影響していない腎結石は、経過観察が可能です。
猫の閉塞性上部尿路結石では、溶解療法を選ばない
猫の腎結石や尿管結石の大部分はシュウ酸カルシウムであり、内科的に溶解できません。
尿管閉塞がある場合には、溶解を期待して治療を遅らせるべきではありません。
尿管閉塞に対しては、猫では皮下尿管バイパス(SUB)または尿管ステント、犬では尿管ステントを推奨しています。
尿路結石の再発予防は、結石の種類によって異なる
感染性ストルバイト結石では、尿路感染の排除が最も重要です。
シュウ酸カルシウム結石では、尿を薄くし、過度な尿の酸性化を避けます。
尿酸塩結石では、尿の希釈、アルカリ化、プリン体制限を行います。
シスチン結石では、尿の希釈、アルカリ化、メチオニン摂取量の制限を行い、病型によっては去勢も有効です。
シスチン結石の低タンパク食には注意が必要
低タンパク食を与えられていたシスチン尿症の犬5頭で、カルニチン欠乏を伴う拡張型心筋症が報告されています。
シスチン結石の予防にはメチオニン制限が重要ですが、過度なタンパク質制限によって栄養障害を起こさないよう注意が必要です。
タウリンやカルニチンを十分に確保することも重要です。
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