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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
2026年のAAHA腫瘍ガイドラインを読みました。最近の獣医腫瘍学の流れを理解することができましたが、基本的な考え方は大きく変わっていないと感じました。
改めて認識したのは、転移の検出には胸部3方向のX線撮影が推奨されていることです。調べてみると、2方向撮影に比べて転移の検出が約15%改善する可能性を示した研究がある一方、明確な利点を認めなかった論文もあります。すべての症例で優れていると断言できるわけではありませんが、追加の検出が期待できるのであれば、3方向撮影を積極的に否定する理由もない、という理解になりました。
また、海外ではいくつかの新しい抗がん剤や免疫療法が利用できるようになっています。リキッドバイオプシーや精密医療プロファイルといった新しい診断検査も登場していますが、患者の治療成績を改善するかどうかについては、まだ十分な情報がありません。新しいというだけで飛びつかず、根拠を確認することが大切だと再認識しました。
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日本では、L-アスパラギナーゼの販売終了が予定されています。ガイドラインには現在も重要な治療薬として掲載されているため、今後の供給が気になります。代替品としてオンキャスパーがありますが、価格は20万円以上と高額です。海外製剤の個人輸入も含めて、今後検討する必要がありそうです。
支持療法では、消化器毒性を予防することの重要性が印象に残りました。悪心や食欲低下を早期に管理し、必要に応じて予備薬を飼い主に持たせることで、化学療法を不必要に中止せずに済む可能性があります。また、好中球減少に対する予防的抗菌薬については、以前より慎重に使用する方向で、抗菌薬の適正使用も重視されています。
新しい知識を得るだけでなく、自分がこれまで行ってきた診療を確認する機会にもなりました。
ガイドラインよ、ありがとう。
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