アモキシシリン・クラブラン酸は、犬や猫の細菌感染症でよく使われる抗生物質です。比較的よく使われる薬ですが、「何にでも効く薬」ではありません。細菌の種類や耐性によって効かないこともあるため、必要に応じて細菌培養検査や薬剤感受性検査を行います。
どんな薬?
アモキシシリンは、細菌の細胞壁を作れなくして殺菌するペニシリン系の抗生物質です。ただし、細菌の中にはβラクタマーゼという酵素を出して、アモキシシリンを壊してしまうものがあります。
そこで一緒に配合されているのがクラブラン酸です。クラブラン酸はβラクタマーゼの働きを邪魔し、アモキシシリンが効きやすい状態を作ります。つまり、この薬は「抗生物質+抗生物質を守る成分」の組み合わせです。
副作用
比較的安全性の高い薬ですが、副作用がないわけではありません。よく見られるのは、軟便、下痢、嘔吐、食欲低下などの消化器症状です。腸内細菌のバランスが一時的に変わることや、薬そのものが胃腸を刺激することが関係します。
飲ませ方の注意
この薬は、食事と一緒、または食後に飲ませると胃腸への刺激を減らしやすくなります。錠剤を直接飲ませる場合は、飲ませたあとに少量の水やフードを与え、食道に薬が残らないようにします。特に猫では、錠剤が食道にとどまると食道炎の原因になることがあります。
効かない菌もある
アモキシシリン・クラブラン酸は便利な薬ですが、すべての細菌に効くわけではありません。特にMRSAやMRSPなどのメチシリン耐性菌では、この薬が効かないことがあります。
治りが悪い、再発を繰り返す、過去に抗生物質を何度も使っている場合には、細菌培養検査や薬剤感受性検査を行い、どの薬が効くかを確認することがあります。
耐性菌を増やさないために
抗生物質は、必要なときに正しく使う薬です。予防のために何となく使う、効いているか分からないまま長く続ける、余った薬を別の症状に使う、という使い方は避ける必要があります。
まとめ
アモキシシリン・クラブラン酸は、万能薬ではありません。効かない菌もあり、副作用や耐性菌の問題もあります。安全に使うためには、症状、感染部位、過去の治療歴、必要に応じた検査をもとに、適切な量と期間で使うことが大切です。