A two-center, randomized controlled trial to determine the effect of 12 weeks of caloric restriction with a novel diet in overweight cats with diabetes mellitus (2026)

肥満の糖尿病猫が特定の食事で痩せると寛解するか、という研究です。ロイヤルカナンがお金を出していますので、読むときはそのことに気をつけましょう。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41818731

要旨

背景:肥満はインスリン抵抗性に関連しており、糖尿病患猫の血糖コントロールに影響を及ぼす。

仮説/目的:前向き無作為化比較試験を用い、過体重の糖尿病猫において、12週間のカロリー制限が糖尿病の寛解および血糖コントロールに与える影響を評価する。

対象動物:インスリン治療を受けている過体重(ボディコンディションスコア6/9以上)の飼育糖尿病猫72匹。これらを「カロリー制限群」(介入群:32匹、目標:週あたり約2%の体重減少)と「体重維持群」(対照群:40匹)に無作為に割り当てた。

方法:全対象猫に対し、減量に適した糖尿病治療用フードを12週間給与した(代謝エネルギー比率[タンパク質/脂肪/可溶無窒素物]:ドライ[49.4/24/26.6]、ウェット[63.2/25.3/11.5])。試験開始前(-1週目)、4週目、8週目、12週目に、身体検査、血清生化学検査、家庭での血糖曲線(BGC)測定、糖尿病臨床スコアの評価、および生活の質(QOL)に関するアンケート調査を実施した。インスリン投与量を記録し、血糖変動(BGCの標準偏差[SD])を算出した。糖尿病の寛解導入を主要評価項目とした。データ解析には回帰分析および線形混合モデルを用いた。

結果:12週目時点で、介入群における糖尿病寛解の確率は対照群の2.1倍であった(介入群16/32匹に対し、対照群12/40匹、P = 0.04)。体重減少率は、介入群で7.2%(95%信頼区間[CI]:5.7–8.7%)、対照群で2.7%(95% CI:1.3–4.1%、P < 0.001)であった。寛解に至らなかった猫において、血糖変動は介入群で45%(95%信頼区間:26–65)、対照群で7%(95%信頼区間:16–21)それぞれ減少した(P = .01)。インスリン投与量は、介入群で36%(95%信頼区間:2–70)減少した一方、対照群では28%(95%信頼区間:3–53、P = .004)増加した。

結論および臨床的意義:過体重の糖尿病猫に対し、減量に適した糖尿病治療用食事を用いてカロリー制限を行うことは、寛解の可能性を高め、血糖コントロールを改善させる。

感想

食事制限の緩い群と強い群に分けた研究ですが、飼い主としては強い食事制限を希望する気もします。無作為に割り付けられる研究によく参加者を集められたと思います。

両群とも同じ糖尿病用療法食とインスリンを使用しています。コントロール群でも30%が寛解し、積極的なカロリー制限群では50%が寛解しました。寛解率の差は統計学的に境界的ですが、寛解しなかった猫のインスリン必要量には明らかな差がありました。

専用の減量食が必要なのか?

イントロダクションには、既存の糖尿病用低炭水化物食の多くはカロリー制限に適していない、と書かれています。

ここは少し引っかかります。フード会社としては必要な文章なのかもしれませんが、通常の糖尿病用療法食でも、栄養素の必要量を満たせるのであれば、同様の研究ができるのではないでしょうか。

もちろん、栄養不足は気になりますが。

この研究は専用食と通常食を比較したものではありません。

カロリー制限と体重減少

著者らは、寛解を誘導する際には体重減少よりも、正確なカロリー制限量を計算して守らせることが重要だとしています。

これも少し言い過ぎな気がします。カロリーを減らせば、いずれ体重も減るはずです。

今回、体重減少率と寛解率には統計学的な関連が認められませんでしたが、体重減少が重要でないことを証明したわけではありません。

実際の診療では、カロリーを計算し、体重の変化を確認しながら給与量を調整するのが合理的だと思います。

低血糖に注意

介入群では、症候性低血糖を起こした猫が飼い主の希望で安楽死となっています。

直接的な因果関係は不明ですが、インスリン治療中に積極的なカロリー制限を行う場合には、低血糖への十分な注意が必要です。

友だち追加 友だち追加 開院準備を更新中! 開院準備を更新中!
上部へスクロール