ホーム > 腫瘍まとめ > 検査 > 犬・猫のしこり検査は何をする?痛み・費用・流れを解説
執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
「愛犬の体にしこりを見つけたけれど、検査って痛いの?」「いきなり手術になるの?」
そんな不安から、受診をためらってしまう飼い主さんは少なくありません。
結論からお伝えすると、しこり検査の第一歩は「細胞診(さいぼうしん)」という、体への負担が非常に少ない検査から始まります。今回は、検査の種類から痛み、費用の目安まで、飼い主さんが知っておきたい情報を網羅して解説します。
1. しこり検査の「3つのステップ」
すべての検査を一度に行うわけではありません。その子の状態に合わせて、段階的に進めていきます。
1. 触診・視診: 大きさ、硬さ、根を張っているか(可動性)を確認します。
2. 細胞診(1次検査): 針を刺して細胞を採り、良性・悪性の「アタリ」をつけます。
3. 精密検査(必要に応じて): 組織生検(病理検査)や、転移を調べる画像検査(レントゲン・エコー・CT)へ進みます。
2. 「痛くない?」細胞診のリアル
細胞診は、しこり検査の「第一選択」です。
• 痛み: 細い針を刺すだけなので、通常のワクチン注射と同じ程度です。
• 麻酔: 基本的に不要です。数分で終わります。
• わかること: 炎症なのか腫瘍なのか、また腫瘍であれば良性・悪性の可能性を判断します。
• 注意点: 針で採れる範囲の情報なので、これだけで100%の確定診断ができない場合もあります。
3. より詳しく調べる「病理検査(組織生検)」
細胞診で判断がつかない場合や、手術前に正体を確定させたいときに病理検査を行います。
• 方法: しこりの一部、または全部を切り取って詳しく調べます。
• 麻酔: 多くの場合、局所麻酔や全身麻酔が必要です。
• 信頼性: 診断の「決定打」となる、最も信頼性の高い検査です。
4. 広がりをみる「画像検査(レントゲン・エコー・CT)」
しこりの正体が分かった後、あるいは疑わしい場合に、「腫瘍がどこまで広がっているか」を調べます。
5. 費用の目安(概算)
• レントゲン・エコー: 肺や内臓への転移がないかを確認します。
• CT検査: 腫瘍の立体的な広がりや、周囲の血管との位置関係を精密に把握します。手術のシミュレーションには欠かせません。
※金額は病院や地域により異なりますが、一般的な目安です。
• 細胞診: 数千円 ~ 1万円前後
• 病理検査: 1万円 ~ 3万円程度(外注費用含む)
• 画像検査: 数千円 ~ 数万円(CTは数万円~)
6. 検査のあとに決めること
検査結果が出たからといって、すぐに手術を強制することはありません。
良性であれば「何もしない(経過観察)」という選択もありますし、悪性であっても、手術・抗がん剤・放射線、あるいは緩和ケアなど、ご家族の生活に合わせた複数の選択肢を一緒に考えていきます。
まとめ
しこりの検査は「怖いもの」ではなく、「これからの穏やかな日常を守るための、最初の手がかり」です。
迷っている間に腫瘍が大きくなってしまうのが一番のリスクです。「少し心配だな」と思ったその時に、まずは負担の少ない細胞診から始めてみませんか?
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獣医師 圓尾真理
獣医師 圓尾拓也
日本獣医がん学会 腫瘍科認定医1種(I種)
放射線取扱主任者1種
博士(獣医学)
エビデンスにもとづいた情報発信に努めます。
