Effects of pregabalin added to a multimodal anesthetic protocol in cats undergoing ovariohysterectomy (2026)を読んで

猫の避妊手術において、プレガバリン5 mg/kgの術前投与による鎮静効果と術後疼痛スコアの改善を、二重盲検プラセボ対照試験で確認した研究。

プレガバリンには来院時の恐怖や不安を軽減する効果も報告されているため、麻酔プロトコルに組み込む価値がありそうです。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42877642

要旨

獣医療における猫の周術期管理には、変化し続ける課題に対応するため、麻酔プロトコルのさらなる進歩が求められている。本研究では54匹の猫を対象とし、プレガバリン(PGB)を投与するP群と、対照群(C群)に無作為に割り当てた。P群には来院90分前にPGB 5 mg/kgを経口投与し、C群には同様の空カプセルを投与した。鎮静状態の評価には、「猫用多項目鎮静評価尺度(Feline Multiparametric Sedation Scale)」および「簡易定性的評価尺度(Simple Qualitative Scale)」を用いた。全症例に対し、前投薬としてメタドン(0.2 mg/kg、筋肉内投与)およびアルファキサロン(1 mg/kg、筋肉内投与)を投与した。麻酔導入にはプロポフォール(2 mg/kg)を用い、イソフルランで麻酔を維持した。手術中、生理学的指標(心拍数、呼吸数、SpO2、EtCO2、血圧、体温)を継続的にモニタリングした。術後直後の期間には、「グラスゴー猫用複合疼痛評価尺度(Glasgow Feline Composite Measure Pain Scale)短縮版」および「猫の表情評価尺度(Feline Grimace Scale)」を用い、抜管後0分、15分、30分、60分の時点で評価を行った。統計解析には、生理学的データに対して二元配置分散分析(Two-way ANOVA)を、疼痛および鎮静スコアに対してウィルコクソン・マン・ホイットニー検定を用いた。P群では鎮静スコアが2.46ポイント上昇した(95%信頼区間:1.69~3.23、p < 0.001)。一方、術後直後の評価尺度におけるスコアは、すべての評価時点においてP群で有意に低かった(差:-2.15、95%信頼区間:-2.92~-1.39、p < 0.001)。生理学的指標に有意差は認められなかった。結論として、来院前のPGB投与は有効な鎮静をもたらし、術後の快適性を向上させることから、猫の麻酔プロトコルにおける有用な補助手段となり得る。

気になるところ

術後疼痛スコアは有意に低下しましたが、両群とも十分な鎮痛が得られており、追加鎮痛が必要な猫はいませんでした。

また、疼痛評価は行動と表情によるもので、プレガバリンの鎮静作用が影響した可能性があります。もう少し客観的な疼痛やストレスの評価指標が欲しかったところです。

術中の生理学的パラメータについては、イソフルラン濃度を調整しているため、プレガバリン自体の影響を判断することは困難です。

さらに、鎮静効果は評価されていますが、不安や恐怖そのものは測定されていません。抗不安効果については、過去の研究を根拠に考える必要があります。

感想

研究の限界はありますが、二重盲検で実施された良い臨床研究だと思いました。

プレガバリン5 mg/kgの来院前投与は、猫の恐怖を軽減し、周術期の管理を改善する方法として検討する価値がありそうです。

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