子猫を保護したら最初にすること|保温・隔離・初回診察と先住猫への注意

屋外で子猫を見つけても、すぐに連れ帰るべきとは限りません。体が温かく、きれいで、落ち着いて眠っている場合は、母猫が食事に出ている可能性があります。危険がなければ人は離れ、数時間見守ります。

一方、車道や工事現場にいる、体が冷たい、ぐったりしている、鳴き続ける、けがや出血がある、ハエやウジが付いている場合は、早めに保護してください。飼い猫の可能性もあるため、警察や自治体にも連絡します。

執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

体が冷たいときは先に保温する

体が冷たい子猫には、食事より先に保温が必要です。低体温では飲み込む力や消化機能が落ち、ミルクを与えると誤嚥する危険があります。

タオルで包み、ぬるま湯を入れたペットボトルや湯たんぽをタオル越しに当て、ゆっくり温めます。熱源を直接当ててはいけません。反応が鈍い、呼吸がおかしい、飲めない場合は、家庭で様子を見ず受診します。

先住猫とは別室で隔離する

先住猫がいる場合は、初回診察まで別室で管理します。食器、トイレ、寝具、ブラシも共有しません。

保護猫は元気に見えても、猫風邪、猫汎白血球減少症、ノミ、耳ダニ、回虫などを持っていることがあります。世話は先住猫を先に行い、手洗い後に保護猫の世話をします。必要な隔離期間は、症状や検査結果、ワクチン歴によって異なり、2~3週間以上になることもあります。
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隔離中は体調の変化を毎日確認する

隔離中は、食欲、体重、元気、目やに、鼻水、くしゃみ、呼吸、嘔吐、下痢、尿と便を毎日確認します。

ぐったりする、何度も吐く、水様便や血便が出る、口を開けて呼吸する、長時間何も口にできない場合は、早急な受診が必要です。
緊急を要する飼い主様へ

隔離は放置ではありません。隠れられる箱を用意し、静かに声をかけ、猫が自分から近づいたときに短時間触れます。

便や吐物を処理して適切に消毒する

便や吐物はすぐに取り除き、食器やトイレを洗います。猫汎白血球減少症が疑われる場合、アルコールだけでは十分に消毒できません。

次亜塩素酸ナトリウムなど、有効な消毒薬を適切に使用します。ただし、猫の体には使わず、酸性洗剤とも混ぜないでください。

初回診察では検便も相談する

初回診察では、推定月齢、性別、体重、体温、脱水、栄養状態、目や鼻、口、心臓や呼吸、けが、ノミ、耳ダニ、皮膚などを確認します。

可能なら新鮮な便を密閉容器に入れて持参してください。寄生虫は毎回便に出るとは限らないため、1回の検便が陰性でも、下痢が続けば再検査が必要です。自己判断で駆虫薬を使わず、検査結果に合わせて治療します。
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FIV・FeLV検査は再検査が必要なことがある

FIV・FeLV検査も、感染直後には陰性になることがあります。幼い子猫のFIV陽性は、母猫由来の抗体を検出している場合があります。

FeLV陽性も、1回の検査だけで持続感染とは断定できません。検査結果と子猫の月齢や保護時期を踏まえ、獣医師と相談して再検査します。
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先住猫との対面は段階的に進める

隔離と初期医療が終わったら、寝具の交換、扉越し、柵越しの対面へと段階的に進めます。威嚇や緊張が強ければ、一段階戻してください。

保護した子猫を安全に迎える基本は、保温、隔離、早めの診察、検便と必要な再検査、そして焦らない対面です。

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