執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
4. 直径1cmの腫瘍には、概算で約10億個の腫瘍細胞があり、手術で腫瘍細胞の99.9%を取り除き、0.1%=100万個が残ったと仮定します。再び10億個になるまでに必要な倍加回数は、最初に1個から10億個になるまでの何分の1でしょう?
正解は「約1/3」
1個の腫瘍細胞が2倍、2倍……と増えて10億個になるには、
2³⁰≒ 10億
なので、1cmになるには約30回の細胞分裂(倍加)が必要です。
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100万個から10億個になるには、細胞数を約1000倍にする必要があります。
2¹⁰≒ 1000
つまり、必要なのは約10回の倍加です。
最初の1個から10億個までは約30回なので、
初発:約30回再発:約10回
となります。
つまり、倍加回数だけで比較すると、再び同じ大きさになるまでに必要なのは初発の約1/3です。
腫瘍が同じ速度で増殖し続けると仮定すれば、時間も単純計算では約1/3になります。
「99.9%も腫瘍を取り除いたのだから、再発にも初発と同じくらい時間がかかる」と思いがちですが、実際には残った腫瘍細胞がすでに100万個あると、同じ大きさに戻るまでに必要な倍加回数はかなり少なくなります。
→ 手術の「マージン」が再発を防ぐ鍵になる
これが、腫瘍は最初に見つかるまでには長い時間がかかっていても、再発は比較的早く見つかることがある理由の一つです。
※実際の腫瘍は一定速度で増殖するわけではなく、手術後に残る腫瘍細胞数も症例によって異なります。あくまで腫瘍の初発と再発の違いを理解するための単純化した計算です。
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