犬の足の指が腫れているとき|指間炎、けが、腫瘍の可能性について

犬の足の指が腫れているとき、よくある原因は指と指の間の炎症です。いわゆる指間炎、趾間皮膚炎と呼ばれる状態です。ただし、足先の腫れはそれだけではありません。異物が刺さっていることもあれば、爪の根元の感染、骨折、脱臼、腫瘍が隠れていることもあります。

特に、片足だけが急に腫れた、足を地面につけない、強く痛がる、爪の根元から出血する、同じ場所が何度も腫れる、しこりのように硬くなっている場合は、早めに動物病院で確認した方がよい状態です。足の指の腫れは、見た目だけでは原因を決めにくい症状です。

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犬の足の指が腫れる主な原因

犬の足の指は、体重を支え、歩くたびに地面と接する場所です。摩擦、湿気、砂利、草、アスファルトの熱、シャンプー後の乾き残しなど、さまざまな刺激を受けます。そのため、足先は炎症や感染が起こりやすい場所です。

よくある原因は、指間炎、細菌感染、マラセチア感染、アレルギー、草の種やトゲなどの異物、爪の損傷、骨折や脱臼、腫瘍です。軽い皮膚炎に見えても、奥で膿がたまっていたり、骨や爪の根元に病変があることもあります。

もっとも多いのは指間炎

犬の足の指の腫れで多いのは、指と指の間に起こる指間炎です。赤くなる、腫れる、なめる、噛む、毛が茶色く変色する、ベタつく、においが出る、といった症状が見られます。

指間炎は、単に皮膚が赤くなっているだけではありません。かゆみや違和感があると、犬は足をなめます。なめることで皮膚がふやけ、バリアが壊れ、さらに細菌やマラセチアが増えやすくなります。その結果、かゆいからなめる、なめるから悪化する、という悪循環に入ります。

アレルギーが背景にあることもあります。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーでは、足先、口まわり、耳に症状が出やすいことがあります。足だけを治療しても何度も再発する場合は、皮膚全体の病気として考える必要があります。

細菌感染とマラセチア感染

足の指の間が赤く腫れて、膿や黄色い分泌物が出る場合は、細菌感染が関わっていることがあります。痛みが強く、触られるのを嫌がることもあります。

一方で、ベタつき、赤茶色の変色、独特のにおいがある場合は、マラセチアという酵母様真菌が増えていることがあります。細菌とマラセチアが同時に増えていることもあります。

見た目だけで、細菌なのか、マラセチアなのか、両方なのかを判断するのは難しいです。動物病院では、テープや綿棒で細胞を取り、顕微鏡で確認します。原因に合わない薬を使うと治りにくくなるため、検査してから治療を選ぶことが大切です。

けがや異物でも足の指は腫れる

散歩中に草の種、トゲ、小石、ガラス片などが指の間に刺さることがあります。この場合、片足の一部分だけが急に腫れ、強く痛がることが多いです。アレルギー性の皮膚炎では複数の足に症状が出ることがありますが、異物では「この指の間だけ」という出方をすることがあります。

爪が割れた、爪が根元から浮いている、出血している場合も注意が必要です。爪の損傷は痛みが強く、感染を起こしやすい場所です。無理に引っ張ったり、自宅で深く切ったりすると悪化することがあります。

骨折や脱臼でも、足の指は腫れます。急に足をつかなくなった、触ると強く鳴く、指の向きが不自然、腫れが急に強くなった場合は、レントゲン検査が必要です。小型犬では、ソファや抱っこからの落下でも骨折することがあります。

腫瘍が隠れていることもある

犬の足の指の腫れで、特に見逃したくないのが腫瘍です。爪の根元や足の指には、扁平上皮癌、メラノーマ、肥満細胞腫などの腫瘍ができることがあります。

注意したいのは、爪の根元が腫れている、爪がぐらつく、爪が抜ける、出血や膿が続く、抗生物質で一時的によくなってもまた悪化する、片方の足の同じ指だけが腫れ続ける、という場合です。このような症状では、単なる指間炎や爪の感染だけでなく、腫瘍も考える必要があります。

爪床の扁平上皮癌は、指の骨を壊しながら広がることがあります。メラノーマは、リンパ節や肺に転移することがあります。見た目だけで良性か悪性かを判断することはできません。必要に応じて、レントゲン検査、細胞診、組織検査、リンパ節や肺の確認を行います。

動物病院で行う検査

診察では、まず腫れている場所を確認します。指と指の間なのか、爪の根元なのか、肉球なのか、関節なのかで考える病気が変わります。歩き方、痛みの強さ、なめているかどうか、左右差、再発の有無も重要です。

皮膚炎が疑われる場合は、細胞診で細菌やマラセチアを確認します。異物や膿瘍が疑われる場合は、患部を詳しく確認し、必要に応じて洗浄や処置を行います。骨折、脱臼、骨の破壊が疑われる場合は、レントゲン検査を行います。腫瘍が疑われる場合は、細胞診や組織検査を検討します。

足の指の腫れでは、「とりあえず抗生物質」だけで済ませない方がよいことがあります。感染であれば薬が必要ですが、アレルギー、異物、骨折、腫瘍では治療方針が変わります。

治療は原因によって変わる

指間炎では、感染を抑える治療と、なめる原因を減らす治療を組み合わせます。細菌感染があれば抗菌薬、マラセチアが多ければ抗真菌薬や薬用シャンプーを使います。かゆみが強い場合は、かゆみ止めやアレルギー治療を行います。

薬用シャンプーや足先の洗浄が役立つこともあります。ただし、洗った後に湿ったままだと悪化することがあります。足の指の間までしっかり乾かすことが大切です。

慢性化してしこりのようになっている場合や、異物が残っている場合は、内科治療だけでは難しいことがあります。病変の場所や深さによっては、外科的な処置が必要になることもあります。

腫瘍が疑われる場合は、早めに診断をつけることが重要です。足の指の腫瘍では、断趾術といって指を切除する手術が必要になることがあります。強い処置に感じるかもしれませんが、腫瘍の種類によっては、早い段階でしっかり切除することがその後の生活を守る選択になります。

自宅でできること、してはいけないこと

軽い汚れや擦り傷であれば、まずぬるま湯でやさしく洗い流し、清潔なガーゼやタオルで水分を取ります。出血がある場合は、清潔な布で数分間やさしく圧迫します。

犬が足をなめ続けると、皮膚炎も傷も悪化します。エリザベスカラーや保護具を使い、受診まで患部を守ってください。

人間用の軟膏や強い消毒薬を自己判断で使うことは避けてください。アルコール消毒はしみるだけでなく、治ろうとしている組織を傷めることがあります。ワセリンや軟膏で密閉すると、かえって蒸れて悪化することもあります。

早めに受診した方がよいサイン

足を地面につけない、強く痛がる、腫れが急に大きくなった、出血や膿がある、爪がぐらつく、同じ指だけが何度も腫れる、硬いしこりがある、黒いできものがある、数日たっても改善しない。このような場合は、早めの受診をおすすめします。

特に、爪の根元の腫れや、片方の足の一本の指だけに続く腫れは注意が必要です。感染やけがのこともありますが、腫瘍が隠れていることがあります。

まとめ

犬の足の指の腫れは、よくある症状です。多くは指間炎や感染ですが、異物、爪の損傷、骨折、脱臼、腫瘍のこともあります。

なめさせないこと、自己判断で薬を塗り続けないこと、片足だけ・一本の指だけ・爪の根元だけの異常を軽く見ないことが必要です。

足先は小さな場所ですが、歩くためにとても大切な場所です。赤みや腫れが続くとき、痛みがあるとき、同じ場所を繰り返すときは、早めに原因を確認しましょう。

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