執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
犬がビールやワインなどのお酒、アルコール消毒液を舐めた場合、摂取量によってはアルコール中毒を起こします。アルコールは胃や腸から速やかに吸収され、一般に摂取後30~60分ほどで症状が現れることがあります。
主な症状は、ふらつき、元気消失、眠そうにする、嘔吐などです。重症になると低体温、低血糖、震え、けいれん、意識低下、呼吸抑制を起こすことがあります。特に体の小さな犬や子犬では、少ない量でも影響が出やすいため注意が必要です。
原因になるのはビール、ワイン、日本酒、焼酎などのお酒だけではありません。洋酒入りのお菓子、発酵中のパン生地、消毒用エタノール、アルコール系ハンドジェルなども問題になります。消毒用品に使われることがあるイソプロパノールは、エタノールより毒性が強いため注意が必要です。
→ 犬猫が食べてはいけないもの
手や床に残った消毒液を一度ペロッと舐めた程度で、必ず中毒になるわけではありません。しかし、容器から飲んだ、こぼれた液を何度も舐めた、濃度の高いアルコールを摂取した場合には動物病院へ相談してください。
その際は、犬の体重、何を舐めたか、アルコール濃度、どのくらいの量か、何時ごろかを伝えると判断しやすくなります。製品の容器や成分表示もあると役立ちます。
ふらつく、ぐったりする、震える、意識がおかしい、呼吸が弱いなどの症状がみられる場合は早めの受診が必要です。意識が低下している犬を自宅で無理に吐かせると、誤嚥する危険があるため避けましょう。
▼ 犬や猫が危険なものを口にしたとき
→ 犬猫が食べてはいけないもの
▼ ぐったりする、けいれんする、呼吸がおかしい場合
→ 緊急を要する飼い主様へ
