執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
寒くなってきましたね。
42℃のお風呂のお湯と、42℃のカップのお茶。
どちらも同じ温度ですが、暖房のない20℃の部屋に置いたとき、温度が速く下がるのはどちらでしょう?
正解:カップのお茶です。
理由は、水の量と表面積の関係にあります。
お風呂は大量のお湯(200L)を蓄えているのに対して、カップのお茶は少量(200mL)です。
熱は水面や容器の表面から周囲へ逃げていきます。お湯の量に対して表面積が大きいほど、温度は速く下がります。
例えば、両方を立方体とすると、お風呂は一辺が約60cm、お茶は一辺が約6cmになります。
一辺の長さは10倍ですが、体積は1,000倍、表面積は100倍です。
つまり、お茶はお風呂よりも、水量に対する表面積が10倍大きいことになります。
表面積に比例して熱が逃げると仮定すると、同じ温度での冷却速度は、お茶の方が約10倍速い計算になります。
ただし、実際の冷め方は容器の形や材質、蒸発などによって変わります。
動物の体でも同じことが起こります
小さな動物は、体重に対して体の表面積が大きいため、体の熱を失いやすく、体温が下がりやすくなります。
特に子犬や子猫では、体温調節機能も未熟なため、寒い季節の体温管理に注意が必要です。
