犬の副腎腫瘍 偶然見つかることもある「副腎のしこり」

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

副腎腫瘍は、腎臓の近くにある「副腎」という小さな臓器にできる腫瘍です。健康診断や超音波検査で偶然見つかることもあります。ホルモンを出すタイプでは、多飲多尿、筋力低下、お腹が膨らむなど、全身症状の原因になることがあります。

副腎とは?

副腎は、左右の腎臓の近くにある小さな臓器です。小さい臓器ですが、体にとって重要なホルモンを作っています。ストレス反応、血圧、水分バランス、代謝などに関わるため、副腎に異常が起こると全身に影響が出ます。

偶然見つかることも多い

副腎腫瘍は、腹部超音波検査で偶然見つかることがあります。

例えば、
・健康診断
・下痢や嘔吐の検査
・しこりの転移チェック

などで、お腹を見ていたら副腎が大きい、と分かるケースです。このような場合、本人は元気で症状がないことも少なくありません。

ホルモンを出すタイプ

一方で、副腎腫瘍の中には、ホルモンを過剰に出すタイプがあります。特に有名なのが、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)です。

水を大量に飲む、尿が増える、お腹が張る、毛が薄くなる、筋肉が落ちる、呼吸が荒いといった症状が見られることがあります。「年をとったからかな」と思われていた変化が、実はホルモン異常だった、ということもあります。

副腎は大きな血管(後大静脈)の近くにあるため、悪性腫瘍では血管へ入り込むことがあります。こうなると、手術の難易度はかなり上がります。

どう調べる?

副腎腫瘍では、
・超音波検査
・CT検査
・血液検査
・ホルモン検査

などを組み合わせて評価します。

特にCT検査は、周囲血管との関係や広がりを確認するために重要です。「ただ大きいだけ」なのか、「手術が必要なタイプ」なのかを整理していきます。

治療

治療は、症状の有無、ホルモン異常、腫瘍の大きさ、転移の有無によって変わります。手術で切除することもありますが、副腎手術は難易度が高く、麻酔・出血管理も重要になります。その点、放射線治療はリスクも少なく有効な手段です。一方で、高齢や持病などを考慮し、内科管理や経過観察を選ぶこともあります。

まとめ

副腎腫瘍は、偶然見つかることもあれば、多飲多尿など全身症状の原因になることもあります。症状が少なくても、ホルモン異常や血管浸潤が隠れていることがあるため、腫瘍の性質と広がりを整理しながら、「どこまで治療するか」を考えることが重要です。

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