犬・猫の薬で副作用が心配なとき

犬や猫の薬で副作用が心配なときは、薬の必要性と体への負担を考えて調整する必要があります。食欲不振、嘔吐、下痢、ふらつきなどがある場合は、薬の名前と症状を整理して早めに病院へ相談してください。続けるのか、量を変えるのか、休むのか、別の薬にするのかを考えます。

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薬のあとに食べないとき

薬を飲ませたあとに食欲が落ちることがあります。薬そのものが胃腸に合わないこともありますし、薬を飲むこと自体がストレスになっていることもあります。もともとの病気が進んでいて、たまたま薬を始めた時期と重なっていることもあります。

「食べない」は、単なる好き嫌いではありません。吐き気、痛み、だるさ、発熱、脱水などが隠れていることがあります。

半日から1日ほとんど食べない、元気もない、水もあまり飲まない、吐き気がありそうな場合は、早めに病院へ相談してください。特に猫や小型犬、高齢の子では、食べない時間が長くなるほど体力を落としやすくなります。

吐いたとき

薬を飲ませたあとに吐くと、「もう一度飲ませた方がいいのか」と迷うことがあります。

ここは自己判断しにくいところです。薬によって、すぐに吸収されるものもあれば、時間がかかるものもあります。吐いたタイミングによっては、もう一度飲ませることで薬が多く入りすぎることがあります。反対に、ほとんど吸収されていないこともあります。

そのため、薬を吐いたときは、薬の名前、飲ませた時間、吐いた時間、吐いたものの内容をメモして、病院に確認するのが安全です。

何度も吐く、血が混じる、ぐったりしている、水も飲めない場合は、薬の副作用だけでなく脱水や別の病気も考える必要があります。様子を見すぎない方がよいです。

下痢をしたとき

薬のあとに下痢をすることもあります。抗生剤、痛み止め、消炎剤、一部の内服薬では、胃腸の調子が乱れることがあります。

軽い軟便で、元気と食欲がある場合は、食事や整腸剤で落ち着くこともあります。ただし、水のような下痢が続く、血便がある、吐き気もある、元気がない、食べない場合は注意が必要です。

下痢そのものよりも、全体の状態を見ることが大切です。元気、食欲、水分、尿の量、体重の変化をあわせて見ます。小型犬、猫、高齢の子では、数日の下痢でも脱水や体力低下につながることがあります。

眠い、ふらつく、ぼんやりしているとき

薬によっては、眠気やふらつきが出ることがあります。痛み止め、鎮静に近い作用を持つ薬、神経の痛みに使う薬、かゆみ止めの一部などでは、いつもよりぼんやり見えることがあります。

少し眠そうでも、呼びかけに反応し、歩けて、食べられているなら、経過を見ることがあります。一方で、立てない、倒れる、反応が鈍い、呼吸が苦しそう、けいれんのような動きがある場合は、早めの受診が必要です。

薬の影響なのか、病気そのものの変化なのかは、見た目だけでは分からないことがあります。いつから、どの薬を、どれくらい飲んで、どんな変化が出たのかを整理して伝えると、判断しやすくなります。

自己判断で中止しない方がよい薬

副作用が心配なとき、「いったん全部やめれば安心」と思うかもしれません。けれど、薬によっては急にやめない方がよいものがあります。

たとえば、長く使っているステロイド、心臓や腎臓に関わる薬、けいれんを抑える薬、ホルモンに関わる薬などは、自己判断で中止すると体調を崩すことがあります。

もちろん、強い副作用が疑われる場合には、薬を止める判断が必要なこともあります。ただし、その場合も「どの薬を止めるのか」「どの薬は続けるのか」「いつ再開するのか」を整理する必要があります。

不安なときは、薬の袋や説明書を手元に置いて、病院へ連絡してください。

薬が悪いのか、病気が悪くなったのか

薬を始めたあとに体調が悪くなると、すぐに副作用を疑いたくなります。それは自然なことです。

ただ、実際には、薬の副作用、病気の進行、別の病気、食事の変化、環境の変化が重なっていることがあります。特に高齢の犬や猫では、複数の病気を持っていることも少なくありません。

「薬を飲んだから悪くなった」と決めつける前に、いつから変化したのか、薬を飲む前から症状がなかったか、食事や便、尿、元気に変化がなかったかを見直します。

原因をはっきり分けられないこともあります。それでも、薬の量を変える、飲ませる時間を変える、胃腸を守る薬を加える、別の薬に変更するなど、負担を減らす方法を考えられることがあります。

動物病院に連絡した方がよいサイン

薬のあとに少し眠い、少し便がゆるい程度で、元気と食欲がある場合は、緊急でないこともあります。

一方で、半日から1日ほとんど食べない、水も飲めない、何度も吐く、水のような下痢が続く、血便がある、ふらついて歩けない、呼吸が苦しそう、顔が腫れる、じんましんのような赤みが出る、けいれんのような動きがある場合は、早めに病院へ連絡してください。

薬の副作用は、早めに対応すると軽く済むことがあります。反対に、我慢して続けたことで、脱水や食欲不振が強くなってしまうこともあります。

「続けるか、やめるか」だけではありません

薬で悩むとき、多くのご家族は、「続けるか、やめるか」の二択で考えてしまいます。

でも実際には、その間にいくつもの選択肢があります。量を少し減らす、飲ませる時間を変える、食後にする、休薬する、別の薬に変える、併用薬を見直す、症状を抑える薬を足す。こうした調整で、治療を続けやすくなることがあります。

薬を使う目的は、薬を飲ませることそのものではありません。痛みを減らす、吐き気を抑える、炎症を落ち着かせる、腎臓や心臓の負担を減らす、生活を楽にする。その目的に対して、今の薬がその子に合っているかを考えることが大切です。

不安なときは、薬の名前と様子をメモ

病院に相談するときは、薬の名前、飲ませた量、飲ませた時間、症状が出た時間、食欲、嘔吐、下痢、元気、水を飲めているかを伝えると判断しやすくなります。

スマートフォンで便や吐いたものの写真を撮っておくのも役立ちます。動画があると、ふらつきや呼吸の様子も伝わりやすくなります。

「こんなことで聞いていいのかな」と遠慮する必要はありません。薬を続けてよいか迷うときは、早めに確認した方が安全です。

適した薬の使い方を考える

同じ薬でも、犬や猫によって合う、合わないがあります。年齢、体重、持病、腎臓や肝臓の状態、飲んでいる他の薬によっても変わります。

薬は便利なものです。けれど、万能ではありません。だからこそ、効き方と副作用の両方を見ながら、その子に合う使い方を考える必要があります。

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