犬や猫の痛みのサイン|鳴かなくても痛いことがあります

犬や猫の痛みは、思っているより分かりにくいものです。痛ければキャンと鳴く、ずっと鳴いている、動けなくなる。そう考えがちですが、実際には強い痛みがあっても、静かに我慢していることがあります。

動物は、本能的に弱っている姿を隠すことがあります。自然界では、弱っている姿を見せることが命の危険につながるからです。そのため、犬や猫は痛みがあっても、最初は普段通りに見えることがあります。

歩き方、姿勢、表情、食欲、トイレ、性格の変化など、小さな違和感が痛みのサインになることがあります。

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犬の痛みのサイン

犬の痛みは、動き方や触られたときの反応に出ることが多いです。

散歩に行きたがらない、階段を嫌がる、段差の前で止まる、立ち上がるのに時間がかかる、寝ている時間が増える。このような変化は、関節や背中、首、足の痛みで見られることがあります。

触ったときに怒る、うなる、逃げる、噛もうとする場合も注意が必要です。普段はおとなしい犬が急に怒りっぽくなったときは、性格の問題ではなく、どこかが痛い可能性があります。

呼吸が荒い、震える、背中を丸める、特定の場所をなめ続ける、体をかばうように歩くといった変化も痛みのサインです。特に、お腹を痛がるときには、前足を伸ばしてお尻を上げるような姿勢をとることがあります。

猫の痛みのサイン

猫は、犬以上に痛みを隠すことがあります。痛くても鳴かず、ただ動かなくなるだけのこともあります。

高い場所に登らなくなる、ジャンプをためらう、降りるときに慎重になる、走らなくなる、遊ばなくなる。こうした変化は、関節や腰、背中の痛みでよく見られます。

毛づくろいが減って毛並みが悪くなることもあります。体を曲げるのがつらいと、背中や腰まわりの毛づくろいができなくなります。爪とぎが減り、爪が伸びすぎることもあります。

トイレの失敗も、痛みと関係していることがあります。トイレの縁をまたぐのがつらい、しゃがむ姿勢が痛い、排尿時に痛みがある。このような場合、粗相のように見えても、実際には体の不調が隠れていることがあります。

顔つきや表情に出る痛み

犬や猫の痛みは、顔つきにも表れます。

犬では、目を細める、顔がこわばる、耳を後ろに引く、落ち着かない表情をすることがあります。痛い場所を見つめたり、なめたり、気にし続けたりすることもあります。

猫では、耳が横や後ろに倒れる、目を細める、口元がこわばる、ひげが前に出る、頭を低く保つといった変化が見られることがあります。これは「猫のしかめ面スケール」として、痛みの評価にも使われる考え方です。

ただし、表情だけで痛みの原因を決めることはできません。表情の変化は、受診を考えるきっかけとして見るのがよいでしょう。

「年のせい」と思われやすい痛み

高齢の犬や猫では、痛みが「年のせい」と思われて見逃されることがあります。

最近あまり動かない。寝てばかりいる。高いところに登らない。散歩が短くなった。立ち上がりが遅い。こうした変化は、単なる老化ではなく、関節炎や背中の痛み、腫瘍、内臓の病気などが関係していることがあります。

もちろん、年齢とともに活動量は落ちます。しかし、動きたくない理由が「年齢」なのか「痛み」なのかは、診察してみないと分かりません。

痛みがやわらぐと、また歩きやすくなったり、表情が明るくなったり、生活の質が上がることがあります。

すぐに受診した方がよい痛みのサイン

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

呼吸が荒い、ぐったりしている、立てない、急に歩けない、足をつけない、触ると強く鳴く、噛もうとする、お腹を痛がる、吐き気が続く、排尿できない、食欲が急に落ちた。このような場合は、骨折、椎間板ヘルニア、急性腹症、膀胱や尿道の病気など、急いで対応が必要な病気が隠れていることがあります。

夜間や休診日に強い痛みが疑われる場合は、翌朝まで様子を見るより、夜間救急に相談した方がよいこともあります。

家庭でできる観察

家庭で一番役に立つのは、普段との違いを記録することです。

歩き方、立ち上がり方、階段や段差の様子、ジャンプの様子、寝ている姿勢、触ったときの反応、トイレの様子などを見てください。可能であれば、動画を撮っておくと診察の参考になります。

動物病院では緊張して、家で見られる症状が出ないことがあります。特に猫は、病院では固まってしまい、痛みのある動きを見せないことがあります。家庭での動画は、とても大切な情報になります。

痛みは我慢させるものではありません

痛みは、体だけでなく気持ちにも影響します。痛みが続くと、動きたくない、食べたくない、眠れない、怒りっぽい、隠れるといった変化につながります。

犬や猫は、痛みを言葉で説明できません。だからこそ、ご家族の「いつもと違う」という感覚が大切です。

鳴いていないから痛くない。歩けているから大丈夫。年だから仕方ない。そう決めつけず、気になる変化があればご相談ください。

痛みは、早く気づくほど対応しやすくなります。小さな変化を見逃さないことが、犬や猫の生活の質を守る第一歩です。

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