犬・猫の痛みのサインと重症度|「いつもと違う」と受診の目安

犬や猫は、痛みを言葉で伝えられません。そのため、姿勢や動き、食欲、触ったときの反応などから痛みの可能性を考えます。

「昨日までできていたことができない」「いつもの場所へ行かない」など、普段との違いに気づく必要があります。

ただし、元気がない、食べない、隠れる、呼吸が荒いといった変化は、痛みだけでなく、吐き気、発熱、心臓病、呼吸器疾患、不安などでも現れます。家庭で原因を決めつけず、変化が続く場合は診察を受けることが大切です。

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急な痛みと慢性的な痛みは分けて考える

痛みには、けがや手術などで突然起こる「急性痛」と、関節疾患や歯科疾患などで長く続く「慢性痛」があります。

急性痛では、触ると強く反応する、鳴く、震える、動かないといった比較的分かりやすい変化が現れることがあります。

一方、慢性痛では変化が少しずつ進むため、「年をとったから」と見過ごされることがあります。散歩が短くなる、階段を避ける、高い場所へ登らなくなる、毛づくろいが減るといった生活上の変化が手がかりになります。

急性痛を0~4段階で分類

獣医療では、コロラド州立大学(CSU)の犬・猫用急性疼痛スケールなどを用いて、急性痛を0~4段階で評価することがあります。

0:痛みを示す行動や反応が認められない
1:わずかな姿勢の変化や、軽い触診反応がある
2:動きたがらない、触ると避けるなど、痛みが行動に現れる
3:じっとうずくまる、鳴く、震えるなど、明らかな痛みがある
4:休めない、動けない、触れなくても強い苦痛が認められる

実際の評価では、安静時の姿勢、周囲への反応、触ったときの反応、体の緊張などを総合して判断します。

軽度から中等度の痛みで見られる変化

軽い痛みでは、異常がはっきり見えないことがあります。

– 元気がない
– 寝ている時間が増える
– 動き始めるまでに時間がかかる
– 散歩や遊びを早くやめる
– 触ると避ける、振り返る
– いつもの姿勢を取らない
– 食欲が少し落ちる
– 性格が変わったように見える

このような変化が一時的ではなく続く場合や、少しずつ悪化する場合は、軽い変化でも相談してください。

強い痛みで見られる変化

痛みが強くなると、次のような状態が現れることがあります。

– じっとうずくまり、ほとんど動かない
– 足をまったく着けない
– 鳴く、うなる、攻撃的になる
– 震えが続く
– 落ち着かず、眠れない
– 背中を丸めた姿勢を続ける
– 食べない、飲まない
– 触らなくても苦しそうに見える

呼吸が荒い、ハアハアするという変化も痛みで見られることがあります。ただし、暑さ、不安、発熱、心臓病、呼吸器疾患でも起こるため、痛みだけのサインとは限りません。

犬と猫では現れ方が異なる

犬では、足を引きずる、散歩を嫌がる、触ると鳴くなど、動きの変化として痛みが現れることがあります。

猫では、次のような生活上の変化が手がかりになることがあります。

– 家具や高い場所へ登らなくなる
– 隠れて過ごす時間が増える
– 毛づくろいが減り、毛並みが乱れる
– トイレの縁をまたぎにくくなり、失敗する
– 抱かれることや触られることを急に嫌がる
– 食器まで行くが、食べずに戻る

犬と猫では痛みの現れ方が異なり、同じ動物でも性格や生活環境によってサインは変わります。

すぐに受診したい状態

次のような状態では、痛みかどうかを家庭で判断せず、早めに動物病院へ連絡してください。

– 呼吸が苦しそう、安静にしても呼吸が荒い
– 立てない、倒れる、意識がぼんやりしている
– 交通事故や落下など、大きなけがの可能性がある
– 強く鳴き続ける、まったく動けない
– お腹が急に膨らみ、落ち着かない
– 尿を出そうとしているのに出ない
– 歯ぐきが白い、青紫色になっている

これらは強い痛みだけでなく、命に関わる病気のサインである可能性があります。

家庭で記録してほしいこと

診察では、「いつから」「どのように変わったか」という情報が役立ちます。

– 変化に気づいた日時
– 痛そうにする動作や場所
– 食事量と飲水量
– 排尿・排便の状態
– 歩き方や立ち上がり方
– 眠れているか
– 時間とともに改善しているか、悪化しているか

歩き方や呼吸、普段と違う行動を動画で撮影しておくと、動物病院では見せない変化も伝えられます。痛む場所を探すために、しこりや関節を何度も強く押すことは避けてください。

人用の痛み止めには、犬や猫に重い中毒を起こすものがあります。自己判断で飲ませず、処方されている薬についても、量や回数を変更する前に動物病院へ確認してください。

まとめ

犬や猫の痛みは、姿勢、動き、食欲、睡眠、触られたときの反応など、さまざまな行動の変化として現れます。「痛がっているように見えるか」だけではなく、普段できていたことができなくなっていないかを見ます。

軽い変化でも続いている場合や、生活に影響が出ている場合は、年齢や性格のせいと決めつけずに相談してください。普段の姿を知っているご家族の気づきが、痛みの早期発見につながります。

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