執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
犬の爪の中心部には血管や神経が通っているため、深く切ると痛みや出血を起こします。
→ 犬の爪を切る、少しだけ、安全に
そこで、血管のある中心部には触れず、爪の背側や側面にある硬い部分だけを削り、地面と接する部分の断面積が元の2/3になったと仮定します。
散歩によって削れる「爪の体積」が同じなら、爪が短くなる長さは断面積に反比例します。
1 ÷ 2/3 = 1.5
答え:理論上、約1.5倍の速さで短くなる
つまり、あらかじめ爪の硬い部分を少し削って接地部分の断面積を小さくしておけば、同じ距離を歩いた場合でも、爪がより短くなりやすい計算になります。
このように爪の先端を単純に切るのではなく、血管を避けながら背側や側面の硬い部分を削る方法は、Alternative Cut Line(オルタナティブ・カットライン:ACL)と呼ばれることがあります。イメージとしては、鉛筆の芯を切らずに、周囲の木の部分をナイフで削って細くするような方法です。ACLは、血管や神経がある「quick」に近づきながら外側の爪を削る方法として紹介されています。
特に前足など、散歩だけでは爪が十分に削れない場合には、血管を避けて硬い部分を少し削っておくことで、散歩による自然な摩耗を利用しやすくするという考え方もできそうです。
※これは「同じ距離を歩けば、同じ体積の爪が摩耗する」と仮定した単純な算数です。実際の摩耗量は、路面、歩き方、体重、爪の硬さ、地面に当たる角度などによって変わるため、実際に1.5倍の速さで削れることを示したものではありません。
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