従来の菱形皮弁は、円形の皮膚欠損を菱形にトリミングし、欠損と同じ大きさの皮弁で覆う方法が基本でした。
本論文では、円形欠損をトリミングせず、対向する2枚の菱形皮弁で閉鎖しています。それぞれの皮弁は、1辺が円形欠損の半径程度、角度がほぼ90°になるように設計します。
顔面の皮膚欠損21例に実施し、壊死や感染、眼瞼などの変形は認められず、良好な結果が得られています。
執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
小さな皮弁を2枚使うという発想
改良菱形皮弁を作成しても閉鎖が難しい場合、皮弁をさらに延長するのではなく、反対側からもう1枚の転移皮弁を追加する、というレスキューも考えられます。

本論文では最初から2枚の皮弁を計画しており、術中に追加する方法を検証したものではありませんが、応用できそうな発想です。
最初から大きな皮弁を作成しなくてもよいというのは、術者にとって心理的な利点もあります。
皮膚に余裕のある方向から小さな皮弁を作り、必要に応じて別の方向から皮膚を補う。菱形皮弁の応用範囲が広がる方法だと思います。
▼ 関連項目
→ 皮膚フラップの設計を考える
▼ 手術や麻酔を受ける方へ
→ はじめての方へ
