せっかく勉強しても忘れるので、メモ。
皮弁の設計
Canine Axial Pattern Flaps, Using the Omocervical, Thoracodorsal, and Deep Circumflex Iliac Direct Cutaneous Arteries(Pavletic, 1981)
胸背動脈軸型皮弁は、胸背動静脈の直接皮枝を含めることで、広範囲の皮膚欠損を修復する方法。
皮弁の設計には、肩甲骨を解剖学的指標として利用。
頭側の切開線:肩甲棘を背側へ延長した線。
尾側の切開線:頭側切開線に平行で、肩甲棘から肩甲骨尾側縁までの距離だけ尾側。
皮弁基部:肩甲骨尾側の陥凹部。肩峰背側端とほぼ同じ高さが胸背動脈の位置を推定する目印となる。
皮弁の延長方向:背側、背中の正中方向。
胸背動静脈の直接皮枝を確実に含めることが重要。
軸型皮弁は直接皮膚動静脈から血液供給を受けるため、通常のランダムパターン皮弁より大きな皮弁を作成。
超音波で胸背動脈を確認
Ultrasonographic and color-flow Doppler ultrasonographic assessment of direct cutaneous arteries used for axial pattern skin flaps in dogs(Reetzら、2006)
10~12MHzのリニアプローブとカラードプラを使用。
肩甲骨尾側縁の陥凹部、肩峰背側端とほぼ同じ高さから胸背動脈を探す。
プローブを尾背側から頭腹側方向へ約60~65°の方向に合わせ、血管の長軸像を描出。
健康な犬20頭すべてで胸背動脈を同定。
ただし、胸背静脈を同定できたのは3頭のみ。
超音波による術前確認は、血管位置の推定や血管損傷の有無を評価する補助として有用と考えられます。
臨床成績
Clinical evaluation of axial pattern skin flaps in dogs and cats: 19 cases (1981–1990) (Trevorら, 1992)
犬猫16頭、19皮弁を対象とした後ろ向き研究。
平均皮弁生存面積は96%。
胸背動脈皮弁は2例で、平均生存面積は93%。
部分的な創離開は7例、遠位部壊死は6例に発生しましたが、最終的には全例で良好な皮膚被覆。
遠位壊死を減らすためには、皮弁を必要以上に長くしないこと、血管茎の捻れや屈曲を避けること、縫合時の張力を減らすことが重要。
また、適切なドレーン設置や術後の創傷管理も必要。
島状皮弁への応用
A New Flap Model in the Treatment of Non-Healing Elbow Wounds in Dogs: The Island Arterial Composite Flap Comprising the Skin Originating from the Thoracodorsal Artery, the Cutaneous Trunci Muscle and Fascia of the Latissimus Dorsi Muscle(2016)
→ 犬の難治性肘部創傷に対する島状胸背動脈軸状皮弁
犬の難治性肘部創傷に対して、胸背動脈由来の皮膚、体幹皮筋、広背筋筋膜を組み合わせた島状複合皮弁が報告。
通常の胸背動脈軸型皮弁とは異なり、皮膚に筋肉や筋膜を組み合わせた複合皮弁。
島状皮弁は、皮膚・皮下組織の連続性を切離し、栄養血管を温存することで、皮弁の回転自由度を高める方法。
ただし、血管茎の過度な捻れ、屈曲、圧迫には注意が必要。
