犬のフィラリア予防薬を飲ませ忘れたとき、「すぐに飲ませていいのか」「検査をした方がいいのか」「副作用は大丈夫なのか」と心配になると思います。
1回の飲み忘れや、1か月くらいの遅れであれば、予防薬を再開してください。ただし、何か月も空いている場合、去年の予防が不完全だった場合、予防歴が分からない場合には、検査なしで薬を飲ませるのは危険なことがあります。
フィラリア予防薬は、蚊に刺されない薬ではありません
フィラリア予防薬は、蚊を寄せつけない薬ではありません。蚊に刺されて体の中に入ったフィラリアの幼虫を、心臓や肺の血管にたどり着く前に駆除する薬です。
そのため、多くのフィラリア予防薬は「これから1か月を守る薬」というより、「前の1か月に入ったかもしれない幼虫を駆除する薬」と考えると分かりやすいです。だからこそ、毎月きちんと続けることが大切になります。
1回飲み忘れた場合
1回飲み忘れた場合は、気づいた時点で再開し、その後も月1回の投薬を続けます。
ここで大切なのは、「忘れたから今年はもう意味がない」と考えないことです。飲み忘れた期間に感染していたとしても、その後の投薬で被害を小さくできる可能性があります。中断したままにする方が危険です。
1~2か月空いたとき、すぐ検査しても分かりません
フィラリアは、蚊から感染してすぐに検査で分かる病気ではありません。体の中に入った幼虫が成長し、検査で分かるようになるまでには、数か月かかります。
そのため、1~2か月飲み忘れた直後に検査をしても、その間に感染したかどうかは分かりません。短期間の飲み忘れでは、予防薬を再開し、翌年の予防開始前にきちんと検査することが大切になります。
長く休んでいた場合は、検査なしで飲ませない
注意が必要なのは、何か月も予防していない場合、去年の予防が途中で終わっている場合、保護犬などで予防歴が分からない場合です。
このような場合、すでに体の中でフィラリアが成虫になっている可能性があります。フィラリアの成虫がいる犬では、血液中にミクロフィラリアという小さな子虫がいることがあります。その状態で予防薬を飲ませると、体の中で子虫が急に死に、強い反応が起こることがあります。
症状としては、元気がなくなる、吐く、下痢をする、ふらつく、呼吸が苦しそうになる、倒れる、けいれんする、などです。まれではありますが、命に関わることもあります。
そのため、長く休んでいた犬に、余っていた薬や個人輸入の薬を自己判断で飲ませるのは避けてください。
毎年春に検査をする理由
フィラリア予防を始める前に検査をするのは、安全に予防を始めるためです。
去年の予防が不完全だった場合、途中で飲み忘れがあった場合、知らないところで吐いてしまった場合、投薬期間が短かった場合には、感染している可能性があります。春の検査は、その確認のために行います。
子犬では検査が不要
冬に生まれた子犬が、初めてフィラリア予防を始める場合など、まだ感染して成虫になるだけの時間が経っていないと考えられる場合には、検査をせずに予防を始めることがあります。
体重に合った薬を使うことも大切です
フィラリア予防薬は、体重によって用量が決まります。去年の薬が余っているからといって、今年そのまま使えるとは限りません。成長した子犬、体重が増えた犬、体重が減った高齢犬では、適切な薬のサイズが変わることがあります。
また、犬種や持病、飲んでいる薬によって注意が必要な場合もあります。特にコリー系の犬種では、一部の薬に対して慎重な判断が必要になることがあります。
飲み忘れたときには
「いつ飲ませたか」「何回忘れたか」「去年はいつまで飲ませたか」「体重は変わっていないか」を確認して、動物病院に相談してください。