「FIPは現在、治療可能で、しばしば治癒可能な疾患である」
という一文が感慨深いです。
かつて不治の病と考えられていたHIV/AIDSが、治療によって長期管理できる病気になったのと似たような大きな変化を感じます。
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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
FIP治療の中心はGS-441524
現在の治療イメージはかなりシンプルです。
普通に内服できる
→ 経口GS-441524
重症で内服できない
→ レムデシビル静注
→ 改善したら経口GS-441524へ
第一選択は、経口GS-441524 15 mg/kg q24hです。
神経型や眼型、あるいは通常量で反応が不十分な症例では増量を検討します。
84日ではなく、42日で治療できる可能性
これまでFIP治療は84日間というイメージでしたが、2026年のガイドラインでは、GS-441524による42日間、つまり6週間の治療でも十分な症例があることが示されています。
「FIPの第一選択は経口GS-441524 15 mg/kg q24h。多くの症例では6週間でよく、神経・眼症例や反応不十分例では増量を考える」
という、かなりシンプルな治療になってきました。
予後が悪いサイン
抗ウイルス治療を行っても予後不良と関連するものとして、高ビリルビン血症、LDH(Lactate Dehydrogenase:乳酸脱水素酵素)高値、敗血症、低血糖、黄疸、発熱、貧血、血小板減少、腹水や血液中のFCoV N遺伝子RT-PCRウイルス量高値などが挙げられています。
最初の48時間が大きな山場
良好な予後因子として、とても分かりやすいのが、
「抗ウイルス治療開始後48時間生存すること」
です。
ある研究では、治療開始後48時間を越えた猫の96%が回復しました。
重症FIPでは、まず最初の48時間を乗り切れるかが大きなポイントになりそうです。
治療終了は「42日経ったから」ではない
治療終了は日数だけでは決めません。
臨床症状が改善していることに加えて、血液検査やAGP(Alpha-1 Acid Glycoprotein:α1酸性糖タンパク)の正常化を確認します。
特に、1~2週間以上あけてAGPが2回連続して正常であれば、治療終了を判断する材料になります。
つまり、
「治療終了は日数だけでなく、臨床所見+AGPで判断する」
ということです。
また、治療後に軽度の高グロブリン血症、リンパ球増多、腹腔内リンパ節腫大、神経症状などが残っていても、それだけでFIP再発とは判断しません。
「治療後に異常が少し残っていても、すぐ再発と判断しない」
という点も重要だと思いました。
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