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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
チェック項目
①いつ見つけたか(スマホで撮影)
②増大傾向はあるか
③症状があるか
しこりを見つけたら・・・
飼っている猫や犬の体に何か触るとドキッとしますね。皮膚表面ですと良性かな、指先できたら悪性かな、とか指の関節近くなら関節炎なのかそこから発生する腫瘍なのか等。考えるときりがありません。
しこりを見つけた場合、いろいろな観察項目があります。見た目、触診、増大傾向、機能障害。しかしながら、これらの項目が実際の診断にダイレクトに結びつくわけではありません。
しこりに関するルールとしては、3-2-1ルールがあります。10~30年ほど前は、猫のワクチン接種部位肉腫とか注射部位肉腫、という腫瘍をときおり診察することがありました。ふつう、腫瘍は増大するときに周囲の正常組織を圧迫するためにカプセルが作られてその中で大きくなることが多い。一方、この注射部位肉腫は正常組織に入り込むためカプセルを作りません。浸潤性の高い(周りに広がりやすい)腫瘍になります。また、炎症との区別がつきにくいので、3ヶ月以上消えずに残っている、2 cm以上、1ヶ月で急速増大があると診察が必要という3-2-1ルールが重要となります。
3-2-1ルール(ワクチン肉腫)
・3ヶ月以上消えずに残っている
・2 cm以上
・1ヶ月で急速増大
一般的な腫瘍は炎症との区別が難しくないので、1ヶ月以上、1 cmあれば検査をするのが診察の目安になるかもしれません。1 cmを超えてきたら要チェック。
良性腫瘍と悪性腫瘍の見分け方
良性腫瘍:膨張性・緩徐増大・ポリープ状
悪性腫瘍:浸潤性・急速増大・固着、自壊
といっても、数字が一人歩きするといけませんので、皆様に気にしていただきたいこととして、
①いつ見つけたか
②増大傾向はあるか
③症状があるか
があります。記入が大変でしたら、スマホで写真を撮るのもいいですし、カレンダーに書いてもらってもいいと思います。
1cmの目安
・ブルーベリー
・あずき
・パチンコ玉
どんな症状がありますか?
鼻の腫瘍などは、骨に囲まれて見ることはできませんが、いつからくしゃみや鼻水、鼻血が始まったか、ひどくなっているか、変わらないかという情報は大変参考になります。また、口の腫瘍についてカルテを調査したところ、悪性腫瘍では急速増大して1ヶ月以内の診察が大部分であり、数ヶ月以上前から存在し大きさが変わらず小さなものは良性であったりとか、前述の通りとなっていました。
しこりは、炎症、良性腫瘍、悪性腫瘍に分類され、犬の皮膚腫瘍は良性が多いため、すべての腫瘍に対して検査することが現実的とは思えません。経過をお伺いし、身体検査をすることで、何らかの治療が必要かどうかの見極めが重要となります。
診断プランを一緒に考えましょう。
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