犬や猫の鼻腔腫瘍はなぜ発見が遅れるのか?見逃される理由

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

犬や猫の鼻腔腫瘍は、発見が遅れやすい腫瘍のひとつです。診断されたときには、鼻血が続いている、顔が腫れている、目が押し出されている、といった状態になっていることもあります。

ご家族から「もっと早く見つけられなかったのでしょうか」と聞かれることがあります。しかし多くの場合、それはご家族のせいではありません。

鼻炎に似ているためです

鼻腔腫瘍の初期症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻を気にする程度です。鼻炎、感染症、アレルギーとの区別が難しく、最初から腫瘍を疑うことは簡単ではありません。

レントゲンでは見つけにくいことがあります

鼻腔は骨に囲まれた複雑な場所です。鼻の奥にある小さな腫瘍は、レントゲンでは見えないことがあります。そのため、症状が続く場合は、1回で判断せず、時間をあけて何度かレントゲンを撮影し、変化を確認することがあります。それでも初期の鼻腔腫瘍は見つからないことがあります。

CT検査を考えるタイミングが難しいためです

鼻腔腫瘍の診断にはCT検査が重要です。しかし、CT検査には麻酔が必要になることが多く、費用もかかります。実際には、「腫瘍が疑わしい」となってからCT検査を行うことが少なくありません。しかし、その段階ではすでに腫瘍がある程度大きくなっています。

早期発見という意味では、顔が変形してからではなく、「なんとなく鼻がおかしい」「鼻炎が治らない」「片側だけ症状が続く」といった違和感の段階でCT検査を検討する方が有利です。

抗生物質で一時的によく見えることもあります

鼻腔腫瘍では二次的な細菌感染を起こします。そのため、抗生物質で鼻水が減り、良くなったように見えます。

片側だけの症状は注意が必要です

鼻腔腫瘍では、片側だけ鼻水が出る、片側だけ鼻血が出るという症状がよくみられます。高齢の犬や猫で片側だけの症状が何週間も続く場合は、鼻腔腫瘍を考える必要があります。

顔が変形してから見つかることもあります

鼻腔腫瘍は外から見えない鼻の中で進行します。そのため初期には気づきにくく、進行すると鼻筋が腫れる、顔が変形する、目が押し出されるといった変化が現れます。この段階で初めてCT検査を行い、鼻腔腫瘍が見つかることも少なくありません。

まとめ

鼻に違和感があれば、繰り返しのレントゲン検査が必要かもしれません。また、鼻血が出る。鼻水が治らない。抗生物質で一時的によくなっても再発する。片側だけ症状が続く。顔の形が変わってきた。こうした場合にはCT検査で鼻の中を詳しく調べる価値があります。

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