雷が鳴ると犬が震える、呼吸が荒くなる、留守番中に物を壊すといった反応は、単なる「雷嫌い」ではなく、治療が必要な強い不安や雷恐怖症の可能性があります。
机の下などに隠れ、雷が過ぎると普段の状態に戻る程度であれば、まずは自宅で環境を整えます。一方、全身の震え、口を開けた速い呼吸、大量のよだれ、歩き回って休めない、失禁、吠え続けるといった反応が毎回みられる場合は、動物病院への相談を考えてください。ドアや窓を壊そうとする、クレートへ体当たりする、脱走や自傷を試みる場合は、犬自身の安全を守るための治療が必要です。
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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
雷が鳴ったときの自宅での対処
カーテンや雨戸を閉め、テレビ、換気扇、音楽などで雷鳴や外の刺激をやわらげます。犬が浴室、机の下、クレートなどへ自分から移動する場合は、危険な物がないことを確認し、その場所で過ごさせてください。普段から安心しているクレートは避難場所になりますが、雷が鳴ってから嫌がる犬を無理に閉じ込めると、逃げようとしてけがをする危険があります。
震えている犬を叱る必要はありません。犬が近づいてくる場合は、飼い主が落ち着いてそばにいたり、普段どおり優しく触れたりして構いません。ただし、抱かれることを嫌がる犬を無理に拘束するのは避けましょう。
雷の日に留守番させる場合
雷を怖がる犬の留守番では、脱走、けが、熱中症を防ぐことが最優先です。窓や玄関を施錠し、割れ物、倒れやすい家具、電気コードなどを片づけます。パニック時に首や足へ絡まる危険があるため、室内でリードにつないだまま留守番させてはいけません。水は倒れにくい容器で複数箇所に用意します。
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夏は停電でエアコンが止まる可能性もあります。室温を確認できる見守りカメラや温度計を利用し、飼い主が帰れない場合に家へ入れる家族や知人を決めておくと安心です。留守番中に毎回パニックを起こす犬では、雷予報に合わせて使う薬について事前に相談してください。
安定剤や抗不安薬を使う目安
雷による恐怖が強い犬には、雷が予想される日に使う即効性の薬や、日常的な不安を抑える薬を使用することがあります。症状が強くなってからではなく、雷が近づく前に投与したほうが効果を得やすい場合もあります。
ただし、単に体の動きを抑えるだけでは、恐怖そのものが軽くなっていないことがあります。
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受診前に動画を記録する
雷が鳴っているときの震え、呼吸、歩き回る様子などを安全な距離から動画で記録しておくと、治療方針を決める助けになります。症状が始まる時刻、続く時間、おやつを食べられるか、留守番中と飼い主がいるときの違いも伝えてください。雷のたびに強い苦痛がみられる場合は、我慢させず、本格的な雷シーズンの前に動物病院へ相談しましょう。
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