基本的には復習でしたが、いくつか印象に残った点がありました。
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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
輸液の目的をはっきりさせる
「どの体液区画に不足があるかを認識する」という考え方が出てきます。
→ 犬猫の体液と輸液|体の水分はどこにある?
要するに、循環血液量を増やしたいのか、脱水を補正したいのか。それを少しアカデミックに表現したものなのかな、と思いました。
循環血液量については、血圧、脈、CRT、末梢温などからある程度評価できそうです。
点滴よりも、可能なら口からの水分摂取を優先する
水を飲んでくれるなら、それが一番自然です。水分摂取を増やす方法として、缶詰食の利用も勧められています。
→ 猫が水を飲む量が少ないのはなぜ?ドライとウェットで水分量はどれくらい違う?
ガイドラインの直接的な推奨ではありませんが、嗜好性を上げる工夫として、下痢などを起こさない範囲で少量の牛乳を風味付けを検討することはありそうです。
経口補液といえばOS-1が有名ですが、もともと経口補液療法は、コレラなどの下痢による脱水への対応として世界的に広まりました。
→ 犬にOS-1やポカリスエットを飲ませてもよい?
犬に使う場合は、Naなどの組成と患者の必要量を考える必要があります。OS-1を好きなだけ飲ませればよい、というわけではありません。
経口で何を、どれだけ与えるかも、輸液処方の一部として考えたいところです。
麻酔中の輸液量は、以前より少なくなっている
メジャーサージェリーでは10mL/kg/hrと習いましたが、現在のガイドラインでは、心臓と腎臓の機能が正常な患者の初期速度として、
- 犬:5mL/kg/hr
- 猫:3〜5mL/kg/hr
が示されています。
もちろん、出血や脱水があれば別に考えます。
「手術だから多めに入れる」のではなく、必要な量を評価して投与するということですね。
→ 麻酔モニターで何を見ている?
昇圧薬の使用を再確認する
麻酔中の低血圧を、輸液だけで改善しようとしないことも重要です。
麻酔深度、心拍数、体温、鎮痛などを確認し、輸液への反応が乏しければ、昇圧薬や強心薬を考慮します。
以前、麻酔担当の研修医が昇圧薬のエフェドリンを使っていたのを思い出しました。
エフェドリン、ノルアドレナリン、ドブタミンなど、病態に応じた薬剤の選択と使い方を、改めて復習しておきたいと思います。
低アルブミン血症では、栄養サポートも重要
血漿やアルブミン製剤で数値を直接上げようとするより、栄養サポートの方が効果的で、実施しやすく、リスクや費用も少ない患者が多いとされています。
緊急にアルブミンを補う必要がなければ、まず原因疾患と栄養状態を改善することを考えたいところです。
基本は復習。小難しいところは、モニターしながら考えよう
最初からすべてを細かく決めるのではなく、必要なら等張晶質液で初期対応し、追加検査と治療反応を見ながら調整する。
Na、K、尿量、体重、呼吸状態などを確認し、必要量が変われば輸液も変更する。
輸液も薬。目的を明確にして、必要な量を投与し、反応を見ながら調整する。
結局は、いつもの臨床の基本に戻ってくるのだと思います。
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