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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
「愛犬をなでていたら、指先にコロッとした塊が触れた……」「これって、もしかして腫瘍?」
見た目や触った感触だけで、良性・悪性を判断することはできません。早めに受診することで、「安心できるしこり」なのか、「治療が必要なしこり」なのかをはっきりさせることができます。
1. 犬のしこりは「何科」を受診すればいい?
病院と違い、多くの動物病院は総合診療(全科対応)です。そのためまずは「かかりつけの動物病院」でOKです。診察では、獣医師が以下のような視点で判断します。
・腫瘍の可能性(良性・悪性)
・皮膚トラブル(炎症・感染・アレルギー)
・手術や処置が必要かどうか
「何科に行くべきか」と悩む必要はありません。気づいた時点でかかりつけ医に相談することが最短ルートです。
2. 動物病院では何をするの?(診察の流れ)
① 問診・視診・触診
まずは状況の確認から始まります。
・いつ気づいたか
・大きさは変わっているか
・痛みやかゆみはあるか
その後、しこりの状態を詳しくチェックします。
・硬さ
・動くかどうか
・熱や赤みの有無
この時点で、ある程度の見当がつくこともあります。
② 細胞診(FNA:針での検査)
しこりの正体を調べる、最も重要な検査が細胞診(FNA)です。細い針で細胞を採取し、顕微鏡で確認します。
・多くの場合、麻酔は不要
・数分で終了
・体への負担は少ない
「とりあえず様子見」ではなく、この検査で判断するのが基本です。
③ 診断と治療方針の決定
検査結果をもとに、今後の方針を決めます。
・経過観察でよい(例:脂肪腫)
・早めの治療が必要
・追加検査(病理検査・エコーなど)
必要に応じて、専門的な治療(手術・放射線など)を検討します。
3. 「様子見」でいい?受診の目安
犬のしこりは、見た目では判断できません。以下に当てはまる場合は、早めの受診をおすすめします。
・1週間たっても消えない
・大きくなっている
・数日〜数週間で変化した
・赤い・熱っぽい
・1cm以上ある
・出血・ただれがある
1つでも当てはまれば受診を検討してください。
しこりでお悩みの方へ
しこりが見つかっても、すべてが癌とは限りません。実際には、良性のものや一時的な腫れも多く見られます。しかし、悪性だった場合、「早く診ていれば」が一番の後悔になります。気兼ねなくご相談ください。
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