犬や猫の入院は必要?入院した方がよい時と、家で見た方がよい時

犬や猫の治療で、「入院した方がいいですか?」と聞かれることがあります。入院は、治療のために必要なことがあります。一方で、入院すれば必ず安心、というものでもありません。

犬や猫にとって、動物病院は慣れた場所ではありません。家族と離れ、知らない音やにおいの中で過ごすことは、大きなストレスになります。特に猫は、環境の変化に弱い動物です。犬の声やにおいだけで、食べなくなることもあります。

つまり入院は、良いことだけではありません。医療として必要な理由があるときに行うものです。

入院が必要になるとき

入院が必要になるのは、自宅ではできない治療や観察が必要なときです。

たとえば、全身麻酔をかけた後、呼吸、体温、痛み、出血、ふらつきなどを確認したい場合があります。手術後すぐは、見た目には起きていても、体の中ではまだ麻酔の影響が残っています。痛み止めの追加、保温、点滴、出血の確認が必要になることがあります。

また、重い脱水、急性腎障害、膵炎、心不全、肺炎、中毒、交通事故、けいれん、重い感染症などでは、入院が必要になることがあります。点滴を続ける、酸素室に入る、血液検査を繰り返す、呼吸や心拍を確認する。このような治療は、自宅では難しいことがあります。

食べられない状態が続く場合も、入院が必要になることがあります。犬や猫は、食べられない時間が長くなると、体力が落ちます。必要に応じて、吐き気止め、点滴、栄養管理を行います。

入院の目的

何を見るために入院するのか。何を治療するために入院するのか。何が改善したら退院できるのか。ここが大切です。

「点滴をするため」
「酸素が必要なため」
「手術後の出血を確認するため」
「痛みを管理するため」
「食べられるか確認するため」
「急変時にすぐ対応するため」

このように目的がはっきりしている入院は、意味があります。反対に、目的があいまいなまま長く入院すると、動物にも家族にも負担が大きくなります。

入院のデメリット

入院には、ストレスがあります。家と違う場所で、家族と離れて過ごします。犬では吠え続けたり、落ち着かなくなったりすることがあります。猫では隠れたまま動かず、食べなくなることがあります。

また、入院中は面会にも制限があります。酸素室に入っている場合、扉を開けるだけで酸素濃度が下がることがあります。心臓病や呼吸器病では、家族に会って興奮することで、かえって状態が悪くなることもあります。

夜間の管理は病院によって違います

入院と聞くと、夜も誰かがずっと見ていると思うかもしれません。しかし、動物病院の夜間体制は病院によって大きく違います。

24時間スタッフが常駐している病院もあります。一方で、夜間は無人になり、カメラ確認や定期的な見回りを行う病院もあります。

重症で、数分単位の変化が命に関わる場合は、夜間も対応できる施設が望ましいことがあります。比較的安定していて、術後の安静や点滴が目的であれば、一次診療の入院で十分なこともあります。

入院費について

入院費は、動物の大きさ、病気の重さ、点滴、注射、検査、酸素室の使用、夜間管理の有無によって大きく変わります。

単純な入院料だけなら数千円からの場合もありますが、実際にはそこに点滴、注射、血液検査、画像検査、処置料などが加わります。重症例では、1日あたり数万円になることもあります。

家で見た方がよい場合もあります

すべての犬や猫に、入院が向いているわけではありません。

病状が安定している。家なら食べられる。家族のそばにいる方が落ち着く。通院で注射や点滴ができる。このような場合には、入院よりも自宅療養の方がよいことがあります。

特に高齢の犬や猫、がんの終末期、強い不安を感じる性格の子では、「病院でできること」と「家で過ごす意味」を分けて考える必要があります。

入院するかどうかの考え方

入院を考えるときは、次の3つを確認するとよいと思います。

  1. 入院で何をするのか。
  2. 入院しない場合に何が心配なのか。
  3. どの状態になったら退院できるのか。

この3つが説明できる入院は、必要性が分かりやすい入院です。逆に、「なんとなく心配だから入院」という場合は、もう少し整理してもよいかもしれません。

まとめ

犬や猫の入院は、命を守るために必要なことがあります。点滴、酸素、痛みの管理、手術後の観察、急変への対応など、自宅ではできない治療があります。

一方で、入院にはストレスがあります。食べなくなる、眠れない、落ち着かない、家族と離れる。その負担も無視できません。

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