地震や台風、大雨などの災害が起きたとき、「犬や猫も一緒に避難所へ連れて行けるの?」と心配になる方もいると思います。
前橋市では、犬や猫などのペットと一緒に指定避難所へ避難する「同行避難」が基本的に可能です。
ただし、同行避難とは、人とペットが避難所の同じ部屋で生活する「同室避難」とは異なります。
前橋市や群馬県の資料をもとに、犬猫と暮らす家庭で普段から準備しておきたいことをまとめます。
執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
前橋市では犬猫と一緒に避難できる?
前橋市では、犬、猫、うさぎ、ハムスター、小鳥などの小動物について、指定避難所への同行避難が可能とされています。
ただし避難所では、原則として人の生活スペースとは別に設けられたペットスペースで過ごします。
犬や猫はケージやキャリーケースに入れ、首輪や迷子札など、飼い主が分かるものを装着しておきましょう。
ペットのフードや水などは飼い主が準備し、排泄物やゴミも飼い主が処理します。
実際の災害では避難所の状況によって対応が変わる可能性があるため、避難所担当者の指示に従うことも必要です。
フードと水は最低5日分を準備
前橋市では、ペットのフードと水を最低5日分準備するよう勧めています。
そのほか、
- キャリーケース、ケージ
- 首輪、リード
- ペットシーツ、猫砂などのトイレ用品
- 食器
- タオル
- ビニール袋
- 常用している薬
- 療法食
なども準備しておきましょう。
人間の防災用品とは別に「ペット用防災バッグ」を作っておくと、災害時に持ち出しやすくなります。
持病のある犬猫は薬と健康情報も
動物病院として特に準備してほしいのが、薬と健康情報です。
心臓病、てんかん、糖尿病、腎臓病などでは、災害によっていつもの動物病院を受診できなくなる可能性があります。
薬の名前、投与量、1日何回飲んでいるか、病名、ワクチン接種歴、かかりつけ動物病院などを記録しておきましょう。
薬袋や検査結果をスマートフォンで撮影しておくのも一つの方法です。
療法食を食べている犬猫では、普段食べているフードも余裕をもって備蓄しておきます。
「ぐんまペット防災手帳」を利用しよう
群馬県では、災害時に必要となる飼い主とペットの情報をまとめられる「ぐんまペット防災手帳」を公開しています。
飼い主の連絡先、ペットの写真、健康状態、かかりつけ動物病院のほか、狂犬病予防注射、混合ワクチン、フィラリア予防、駆虫などの情報を記録できます。
大切なのは、一度作って終わりにしないことです。
おすすめなのは、狂犬病予防注射や混合ワクチン、フィラリア予防などで動物病院を受診する時期に、年に一度、防災手帳も見直すことです。
薬やワクチン歴、連絡先を更新し、備蓄しているフードや薬の期限も確認します。
「春の予防シーズン=ペットの防災情報を更新する時期」と決めてしまうと、忘れにくいかもしれません。
普段からキャリーやケージに慣らしておく
災害が起きてから初めてキャリーケースに入れようとしても、犬猫が怖がって入らないことがあります。
特に猫では、「キャリーが出てくる=動物病院へ行く」と覚えていることもあります。
普段からキャリーを部屋に置き、中で寝たり、おやつを食べたりできる場所にしておくとよいでしょう。
犬では「ハウス」などの合図でケージに入る練習も役立ちます。
避難所では多くの人や動物が集まります。普段からキャリーやケージの中で落ち着いて過ごせるようにしておくことも、防災の一つです。
→ ケージが好きになる練習。安心できる自分の部屋を作ろう
自宅が安全なら在宅避難も
災害が起きたら、必ず避難所へ行かなければならないわけではありません。
自宅の安全が確保できる場合には、在宅避難という選択肢もあります。犬猫にとっても、慣れた環境で過ごせることにはメリットがあります。
一方、洪水や土砂災害など、自宅にとどまることが危険な場合には早めの避難が必要です。
前橋市のハザードマップで、自宅周辺にはどのような災害リスクがあるのか、最寄りの避難先はどこなのかを一度確認しておきましょう。
まとめ
前橋市では、指定避難所へのペットの同行避難が基本的に可能です。ただし、人とペットが同じ部屋で生活できるとは限りません。
フードと水、薬、健康情報を準備し、普段からキャリーやケージにも慣らしておきましょう。
そして、狂犬病予防注射やワクチン、フィラリア予防などで動物病院を受診する時期を、年に一度の「ペット防災の見直し日」にしてみてはいかがでしょうか。
準備ができたら、次は本当に避難できるか試してみます。
→ 犬や猫と避難訓練をしてみよう|人の防災用品も持って歩ける?
参考資料
前橋市「ペットと一緒に災害に備えるために」「避難所におけるペットの同行について」
群馬県「人とペットの災害対策」「ペット防災手帳をつくりましょう」
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→ 犬や猫と避難訓練をしてみよう|人の防災用品も持って歩ける?
▼ 普段からできる準備
→ ケージが好きになる練習。安心できる自分の部屋を作ろう
→ 犬・猫の予防医療について
