犬と猫の「自壊腫瘍」 出血・悪臭への対処とMohsペースト(モーズ軟膏)の使い方

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

自壊した腫瘍の出血や悪臭には、モーズペースト(Mohs)が有効なことがあります。ただし、使い方を誤ると正常な皮膚にもダメージを与えるため、必ず獣医師の管理下で行う処置です。

自壊腫瘍とは?なぜ出血や悪臭が起きるのか

腫瘍が大きくなると、皮膚が耐えきれずに破れてしまうことがあります(これを自壊と呼びます)。

特に悪性腫瘍では、
・急速に大きくなる
・血流が追いつかず壊死する
・舐めたり掻いたりして傷が広がる
といった理由で、皮膚が崩れてしまいます。

その結果、
・出血が続く
・細菌感染による強い臭い
・滲出液でベタベタする
といった状態になることがあります。

自壊したときの応急対応

まずは以下の対応を行います。

・出血 → 清潔なガーゼでしっかり圧迫
・感染 → 抗生物質の使用(動物病院で処方)
・舐め防止 → エリザベスカラーの装着

ただし、これらは「一時的な対処」にすぎず、根本的な改善にはなりません。

モーズペースト(Mohs)とは?

モーズペーストは、塩化亜鉛を主成分とした薬剤で、腫瘍表面を化学的に焼灼することで、

・出血を抑える
・滲出液を減らす
・悪臭を軽減する

といった効果が期待できます。いわば「腫瘍の表面を一時的に固めてコントロールする処置」です。

モーズペーストの欠点1

・正常な皮膚にもダメージを与える可能性がある
・強い痛みが出ることがある
・処置には技術と経験が必要

そのため、自宅での自己判断による使用は絶対に避けてください。

Mohsペーストの欠点2

このMohsペーストは亜鉛華デンプンを使うが、このデンプンの性状がすぐに変わるので、使うときに作る必要がある。塗ったものを取り除くときは洗い流す必要もあり使い勝手が悪かった。さらには、塩化亜鉛は重金属に分類され下水に流すのははばかられる。

より扱いやすい方法への改良(CMC製剤)

従来のモーズペーストは、
・調製に手間がかかる
・洗い流す必要がある
といった欠点がありました。

そこで私たちは、カルボキシメチルセルロース(CMC)を基剤とした製剤を検討しました。

この方法では、
・塗布後にゲル化する
・洗浄が不要
・使い捨てで扱いやすい
といった利点があり、臨床現場での使いやすさが改善されました。

実際の効果

自壊して出血や悪臭が強い病変に対して、
・出血のコントロール
・臭いの軽減
といった「生活の質の改善」に役立つケースがあります。

ただし、腫瘍そのものを治す治療ではなく、あくまで緩和的な処置です。

まとめ

自壊した腫瘍は、見た目以上に負担の大きい状態です。「出血が止まらない」「臭いがつらい」と感じた場合は、我慢せずにご相談ください。最も負担の少ない方法を一緒に考えていきます。

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こちらが私たちの論文です
 従来のMohsペーストの緩和治療
 新しいCMCを用いたmoM-CMC
 さらに新しい改良型moM-CMC 2.0

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