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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
高齢犬でも麻酔はかけられます。実際に17歳の犬や猫でも、歯科処置や腫瘍の手術、CT検査などのために麻酔を行うことがあります。
ただし、若い頃と同じように安全とは言えません。高齢になると、心臓、腎臓、肝臓などの予備力が少しずつ低下します。若い犬なら耐えられる血圧低下や心拍数の変化でも、高齢犬では回復できないことがあります。また、同じ麻酔量でも副作用が強く出ることがあります。
そのため、麻酔リスクは年齢とともに高くなります。つまり、15歳よりも17歳の方がリスクは増えます。
→ 15歳の犬で手術?麻酔リスクと判断基準
年齢とともに全身状態が重要
獣医師はASA-PS分類という考え方を参考にしながら、その犬がどのくらい麻酔に耐えられる状態かを評価します。高齢であること自体も、体の予備力が低下しているサインとして考慮します。
→ ASA-PS分類 麻酔リスクの考え方
紹介動物病院で麻酔中に体調を崩したという子が連れてこられたことがあります。当時、放射線治療で麻酔をかけると平均の半分の麻酔濃度でも十分に効いておりました。17歳ともなると体力も落ち、若いときと同じ麻酔では多すぎることもあると痛感した次第です。
麻酔リスク
どれだけ慎重に管理しても、17歳では麻酔のリスクを完全になくすことはできません。
高齢犬の麻酔で問題になりやすいのは、低血圧、呼吸の低下、低酸素、低体温などです。特に心臓病や腎臓病がある場合は、これらの影響を受けやすくなります。
また、注意が必要なのは麻酔中だけではありません。高齢犬では麻酔からの回復がゆっくりになったり、処置後に食欲や元気が戻るまで時間がかかったりすることがあります。
まとめ
「17歳だから絶対に麻酔は無理」とも、「検査が大丈夫だから安全」とも言い切れません。
高齢犬の麻酔は、年齢だけで決めるものではありません。体の予備力、心臓や腎臓の状態、予定している処置の内容、得られる利益とリスクを一つずつ確認しながら、ご家族と獣医師が一緒に考えていくものです。
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