JR東日本では、犬を入れるキャリーは、縦・横・高さの合計が120cm以内で、犬とキャリーを合わせた重量が10kg以内と定められています。
縦・横・高さの合計が120cmの場合、数学上もっとも体積が大きくなるのは、一辺40cmの立方体です。
40cm × 40cm × 40cm = 64L
この64Lのキャリーの換気がまったくないと仮定して、犬のパンティングによって湿度がどのくらい上がるかを計算します。
25℃の空気が湿度100%のときに含む水蒸気は、1m³当たり約23gです。
64Lは0.064m³なので、
23g/m³ × 0.064m³ = 約1.47g
湿度50%では、その半分の約0.74gの水蒸気が含まれています。
したがって、湿度50%から100%になるまでに追加できる水分は、
1.47-0.74=約0.74g
しかありません。
仮に10kgの犬が、パンティングによって1時間に10mLの水を蒸発させるとするとします。
→ 換気の悪いキャリーでも、犬はパンティングで体を冷やせる?
換気がまったくない場合には、
0.74g ÷ 10g/時 = 約0.074時間
つまり、約4分半で湿度100%に達する計算です。実際には犬の体がキャリー内部を占めるため、空気の体積は64Lより少なくなります。
犬のパンティングは、呼吸器から水分を蒸発させ、その気化熱で体を冷やす仕組みです。しかし、周囲の湿度が高くなるほど水分は蒸発しにくくなり、湿度80%を超えるような環境では、パンティングによる放熱は著しく効きにくくなります。
答え 換気の悪いキャリーでは、湿度が短時間で上昇し、パンティングによる気化熱の放散が不十分になる可能性があります。
ただし、実際のキャリーは完全密閉ではないため、必ず4分半で飽和するわけではありません。この計算は、換気が非常に悪い場合の危険性を示す単純モデルです。
電車で犬を移動させる際は、通気孔の多いキャリーを選び、布や荷物で通気孔をふさがないようにします。携帯ファンを使う場合は、内部の空気をかき回すだけでなく、通気孔を通して外の空気が入り、反対側から湿った空気が出るように設置します。
保冷剤を使用する場合は布などで包み、犬の体に直接当て続けないようにします。キャリー全体を冷やすのではなく、犬が暑ければ近づき、寒ければ離れられる位置に置くことが大切です。
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