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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
放射線治療中に動いてしまうと、がんに当たらず正常組織を傷つけてしまうため、短時間の全身麻酔が不可欠となります。
麻酔には必ずリスクとしては以下の可能性を想定し、最大限の注意を払っていました。
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1. 麻酔に伴う重大なリスク
全身麻酔下では、心臓や腎臓への負担がかかります。リスクを高める要因として以下のようなものがあります。
• 高齢: 多くの腫瘍疾患は高齢で発生するため、内臓機能が低下しているケースが多いです。日常生活や検査では問題なくても、麻酔には耐えられないこともあります。
• 腫瘍による衰弱: がんそのものが体力を奪い、麻酔への耐性を下げていることがあります。
• 基礎疾患: 心臓病や腎臓病などの持病がある場合、より慎重な管理が求められます。椎間板ヘルニアを発症したこともありますし、角膜潰瘍が悪化したこともあります。
2. 皮膚トラブルのリスク(リンパ腫・ステロイド)
特定の条件下の患者さんでは、皮膚が非常にデリケートになっています。リンパ腫の治療中の子や、長期間ステロイド剤を服用している場合、皮膚のバリア機能や再生能力が低下しているため、皮膚が剥がれてしまう(剥離する)ことがあります。皮膚脆弱症、といいます。
3. スケジュール遵守のお願い
急な予定が入り「今日は休ませたい」と思われることもあるかもしれませんが、放射線治療には「タイミング」が非常に重要です。 決められたスケジュール通りに実施できないと、がん細胞に回復の隙を与えてしまい、治療効果が著しく低下する可能性があります。体調が悪い場合は、治療施設にご相談ください。全身麻酔が安全に実施できるか判断してくださります。
獣医師としての取り組み
これらのリスクを最小限に抑えるため、事前の検査と、治療中のリアルタイムなモニター管理を徹底しています。
「麻酔が怖いから治療を諦める」のではなく、「どうすればこの子に安全に麻酔をかけ、がんを叩けるか」を一緒に考えましょう。不安なことは、どんな些細なことでも担当の獣医師にお話しされるのが良いと思います。
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