犬・猫の血液検査(CBC)とは?白血球・赤血球・血小板の見方

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

血液検査で「白血球が高い」と言われたり、「貧血かもしれない」と説明を受けたりすると、不安になる方は多いと思います。また、「血小板って何を見ているの?」と疑問に感じることもあるかもしれません。血液検査の中でも「CBC(血球計算)」は、赤血球、白血球、血小板の数です。この記事では、CBCでわかることや各項目の見方、異常値の考え方について、解説します。

CBC(血球計算)とは?

CBCとは、血液中の細胞を調べる検査で、赤血球・白血球・血小板の3つを中心に評価します。つまり、血の中にある細胞のバランスを確認することで、体がどのような状態にあるのかを読み取る検査です。

赤血球(RBC):酸素を運ぶ力

赤血球は、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。この数値を見ることで、貧血や脱水の状態を評価することができます。赤血球が低い場合は、いわゆる「貧血」の状態です。出血や慢性疾患、骨髄の異常、腫瘍などが背景にあることがあり、体に十分な酸素を運べていない可能性があります。一方で数値が高い場合は、脱水によって血液が濃くなっているケースが多く、まれに真性多血症といった疾患が隠れていることもあります。ただし重要なのは、「貧血=すぐに危険」とは限らないという点です。進行のスピードや原因によって意味合いは大きく変わるため、単独で判断しないことが大切です。

白血球(WBC):体の防御反応

白血球は、体を守る免疫の中心的な役割を担っています。炎症や感染、ストレスに対して反応するため、体の“防御状態”を知る指標になります。白血球が増加している場合、細菌感染や炎症が疑われることが多いですが、実際には興奮や痛みといったストレスでも上昇します。また、白血病などの腫瘍性疾患が関与することもあります。逆に白血球が低下している場合は、ウイルス感染や骨髄抑制、あるいは重度の感染症が背景にあることがあります。ここでよくある誤解が、「白血球が高い=感染症」という考え方です。実際にはストレスでも簡単に上がるため、数値だけで決めつけることはできません。

血小板(PLT):止血の能力

血小板は、出血を止めるために重要な細胞です。この数値によって、出血しやすさのリスクを評価します。血小板が低い場合は、免疫介在性疾患や骨髄疾患、重度の感染症などが関与している可能性があり、出血リスクが高まるため注意が必要です。一方で高値の場合は、炎症などに伴う反応性の変化であることが多いです。特に血小板が低い場合は見逃せないことが多く、再検査や追加検査が必要になるケースがよくあります。

CBCの見方で一番大切なこと

ここが最も重要なポイントです。CBCは、1つの数値だけで判断しないことが大前提です。例えば、赤血球が低く白血球が高い場合は「出血+炎症」が疑われるかもしれませんし、白血球だけが上昇している場合はストレス反応の可能性も考えられます。このように、数値は“組み合わせ”で考えることで初めて意味を持ちます。

よくある誤解

CBCの結果でよくある誤解として、いくつか知っておきたいポイントがあります。まず、「白血球が高い=感染症」とは限らないこと。先ほど述べたように、ストレスや痛みでも上昇します。また、「貧血=すぐ危険」とも限りません。慢性的で軽度の貧血であれば、安定して経過していることもあります。さらに、「正常値だから安心」とも言い切れません。血液検査が正常でも、病気が隠れていることは十分にあります。

こんなときは追加検査が必要

数値が大きく基準値から外れている場合や、複数の項目に異常がある場合、あるいは元気低下や食欲不振などの症状を伴う場合には、追加検査が必要になります。実際の診療では、血液検査の再検査に加えて、レントゲンや超音波検査、細胞診などを組み合わせて診断していきます。

まとめ

赤血球は酸素運搬、白血球は防御、血小板は止血という役割を持っています。ただし、これらは単独で判断するものではなく、組み合わせや変化を含めて評価することが重要です。異常が見られた場合には、追加検査が必要になることも少なくありません。

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