心臓病があっても麻酔ができる?ASA-PSクラス3の意味

ASA-PS(American Society of Anesthesiologists Physical Status)クラス3は、「麻酔ができない」という意味ではなく、持病や全身状態に注意が必要なため、麻酔前の検査や麻酔計画をより慎重に考える段階です。心臓病がある犬や猫でも、すぐに麻酔をあきらめるのではなく、麻酔をする理由と、しない場合のリスクを考えることが大切です。

心臓病があるから麻酔できない、とは限りません

心臓病があるから麻酔ができない、ということではありません。手術や麻酔の前に大切なのは、病気そのものではなく、その犬や猫がどのような状態なのかを評価することです。その目安のひとつとして、ASA-PSという分類があります。

ASA-PSとは、麻酔前の全身状態をみる分類です

ASA-PSは、麻酔前の全身状態を段階的に評価する方法です。

ASA-PS1:健康な状態
ASA-PS2:軽い持病がある状態
ASA-PS3:日常生活に影響する持病がある状態
ASA-PS4以上:生命に関わる重い病気がある状態

ASA-PSクラス3は「麻酔できない」という意味ではありません

多くの高齢犬や高齢猫は、ASA-PS3に該当することがあります。例えば、心臓病、腎臓病、糖尿病、慢性的な呼吸器疾患がある場合です。ただし、ASA-PS3=麻酔ができない、という意味ではありません。ASA-PS3は、「持病があるので慎重に麻酔を行いましょう」というサインです。

麻酔を避けるリスクも考えます

麻酔そのもののリスクだけでなく、麻酔を避けることのリスクも考える必要があります。例えば、しこりが急に大きくなっている、脾臓腫瘍が破裂する可能性がある、痛みが強い、出血が続いている。このような状況では、麻酔をしないことが病気の進行や生活の質の低下につながる場合があります。

麻酔前には何を確認するのか

麻酔前には、身体検査だけでなく、血液検査、胸部レントゲン、超音波検査などを組み合わせて評価します。心臓、腎臓、肝臓、貧血、脱水、呼吸状態などを確認し、状態に合った麻酔計画を立てます。必要に応じて、点滴、薬の調整、麻酔時間の短縮、術後管理の準備を行います。

ASA-PS3と言われたときに考えること

病院で「ASA-PS3ですね」と説明されたら、必要以上に怖がる必要はありません。「持病があるので、いつも以上に慎重に麻酔計画を立てましょう」という意味だと考えるとよいでしょう。不安なときには、「何が心配なのか」「どのような準備をするのか」「麻酔をしない場合にはどうなるのか」を獣医師と一緒に整理することが大切です。

まとめ

麻酔は、できるかできないかの二択ではありません。リスクを下げる工夫を積み重ねながら、麻酔をかける意味があるかを考えていくものです。15歳という年齢だけであきらめる必要はありません。

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