セレニア(マロピタント)は、犬や猫の吐き気や嘔吐を抑える薬です。比較的安全性の高い薬ですが、副作用として元気消失、食欲低下、下痢、よだれなどがみられることがあります。胃腸炎、腎臓病、膵炎、抗がん剤治療など幅広い場面で使われますが、原因そのものを治す薬ではありません。

セレニアとは
セレニアは、動物病院でよく使われる制吐剤の一つです。吐き気に関わる「サブスタンスP」という神経伝達物質の働きを抑え、脳の嘔吐に関わる経路にブレーキをかけます。
嘔吐は胃だけで起こるわけではありません。胃腸、腎臓、肝臓、薬、抗がん剤、脳など、さまざまな刺激が脳に伝わって起こります。セレニアは、その嘔吐反射の共通した経路を抑えるため、幅広い原因の吐き気に使われます。
どんなときに使う?
セレニアは、急な胃腸炎による嘔吐だけでなく、膵炎や慢性腎臓病に伴う吐き気、抗がん剤治療中の嘔吐、手術後の吐き気、乗り物酔いなどで使われます。
腫瘍診療では、抗がん剤による吐き気を予防したり、食欲低下の背景にある気持ち悪さを和らげたりする目的で使用します。吐き気が抑えられると、水分や食事を取りやすくなり、QOLが保てます。
→ セレニア 抗がん剤治療中の吐き気対策
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腎臓病や高齢の犬猫でも使える?
慢性腎臓病の犬や猫では、吐き気や食欲低下の管理にセレニアを使うことがあります。ただし、腎臓病では吐き気だけでなく、脱水、貧血、血圧、尿毒症、口内炎、便秘などが関係していることもあります。セレニアで少し楽になることはありますが、腎臓病そのものを治す薬ではありません。
セレニアは何日くらい使う?
使う期間は原因によって変わります。急な胃腸炎や乗り物酔いでは短期間の使用になることが多いです。一方で、慢性腎臓病、膵炎、腫瘍、抗がん剤治療では、状態に応じて数日以上使うこともあります。
副作用と注意点
セレニアは比較的安全性の高い薬ですが、副作用がまったくないわけではありません。まれに元気消失、食欲低下、下痢、よだれなどが見られることがあります。また、注射で使う場合には、注射時に痛みを感じることがあります。
注意したいのは、セレニアは「吐き気を止める薬」であって、原因そのものを治す薬ではないという点です。異物、腸閉塞、重い膵炎、腎不全、腫瘍などが背景にある場合、吐き気だけを抑えても根本的な解決にはなりません。嘔吐が続く、元気がない、食べられない、体重が減るといった場合には、原因を調べることが大切です。
吐いていなくても使うことがある
犬や猫では、実際に吐いていなくても、吐き気があることがあります。食べたそうにするのに食べない、よだれが増える、口をくちゃくちゃする、草を食べたがる、元気がない。このような様子の背景に、吐き気が隠れていることがあります。
そのため、抗がん剤治療の前後や慢性腎臓病の管理では、「吐いてから使う」のではなく、吐き気を予防する目的で使うこともあります。
セレニアが効かないとき
セレニアを使っても吐き気や食欲不振が続くことがあります。その場合、吐き気の原因が強い、腸閉塞や異物がある、膵炎や腎不全が重い、痛みや発熱がある、別の吐き気止めが必要、などが考えられます。セレニアは便利な薬ですが、万能薬ではありません。効きが悪いときほど、原因を調べることが大切です。
まとめ
セレニアは、犬と猫の吐き気や嘔吐を抑えるために広く使われる薬です。胃腸炎だけでなく、腎臓病、膵炎、抗がん剤治療、術後、乗り物酔いなど、さまざまな場面で使用されます。
▼ 関連項目
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