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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
1. 「何かしてあげたい」想いと、サプリの現実
しこりが「がん」と診断されたとき、標準治療を提示される一方で「家族として何かしてあげたい」という想いからサプリメントを検討される方は多いでしょう。実は、我が家の愛犬も軽度の腎臓疾患があり、サプリを飲んでいます。
しかし、知っておいていただきたいのは、薬とサプリは似て非なるものだということです。厚生労働省が認可した「薬」は効果を謳えますが、サプリはあくまで「食品」。法的に効果を語ることは許されていません。
2. 治験の現場から見た「統計的エビデンス」の壁
私はかつて「レブリチン」という薬の治験に携わりました。薬として認可されるには、厳密な手順の下で「統計的に有意な効果がある」と証明される必要があります。
翻ってサプリを見ると、そのような研究はほとんどなされていません。特許の問題や収益性の理由もありますが、最大の理由は「効果が証明しにくい」という真実です。新薬は治療効果が明らかなため良い報告が相次ぎますが、サプリに対して同様の統計的根拠を求めるのは、正直に言って酷かもしれません。
3. 良いサプリを見分ける「最低限の基準」
それでもサプリを取り入れたい場合、良いものを見分ける最低限の基準として「成分の含有量が明記されているか」を必ず確認してください。薬でなくとも、内容量を把握することは安全と信頼の第一歩です。
今はAIでエビデンスを探せる時代ですが、サプリを検討する前に最も大切なことがあります。それは、獣医師からしっかり病気や治療の説明を受け、納得して治療法を決めることです。「自分で考えて治療を選ぶ」という意志は、まず主治医との対話に向けられるべきだと私は考えます。
4. 根治ではなく、愛犬の「今日」を支える応援団として
サプリはあくまで治療補助であり、根治(奇跡)を期待するものではありません。しかし、「少しでも快適に過ごさせてあげたい」という想いを支えるツールとしては、十分な意味があると考えています。私もそんな気持ちで、我が家の犬にサプリを飲ませています。
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