ガバペンチンは、もともとは人のてんかん治療薬として使われてきた薬です。ただし現在の医療では、てんかんだけでなく神経障害性疼痛などにも広く使われており、「効能外使用」が多い薬として知られています。
動物医療でも同じように、てんかんの補助治療だけでなく、痛みの管理や猫の通院ストレスをやわらげる目的で使われています。
ガバペンチンはどんな薬?
ガバペンチンは、神経の興奮を抑える薬です。強い痛みを一気に消す薬というより、神経が関係する痛みや慢性的な痛み、恐怖や緊張が強い場面で使われます。
犬や猫では、椎間板ヘルニア、腫瘍による痛み、慢性痛、てんかんなどで使用されることがあります。
猫の通院前に使うことがあります
近年は、病院が苦手な猫に対して来院前に使われることも増えています。診察室で怒る猫は珍しくありません。キャリーから出ない、体を触れない、採血が難しいということもあります。
こうした猫は性格が悪いわけではなく、多くの場合は強い恐怖を感じています。知らない場所、知らない人、移動、保定。猫にとって病院は大きなストレスになることがあります。
ガバペンチンを来院前に使う目的は、猫を眠らせることではありません。恐怖や緊張をやわらげ、できるだけ穏やかに診察を受けてもらうためです。
放射線治療では麻酔導入のためにカテーテルを血管に入れる必要があります。触ろうとすると興奮して暴れる場合でも、このお薬を飲ませると穏やかになり不安感が減るようです。
副作用は?
よく見られる副作用は、眠気とふらつきです。効き方には個体差があり、かなり落ち着く子もいれば、あまり変化がない子もいます。
高齢の猫や腎臓病のある猫では薬が体に残りやすいため、量や投与間隔を調整することがあります。
痛み止めとしての特徴
ガバペンチンは、一般的な痛み止めとは少し性格が違います。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が炎症を抑えるのに対し、ガバペンチンは神経の過剰な興奮を抑えます。そのため、慢性的な痛みや神経が関係する痛みに対して、他の薬と組み合わせて使われることが多い薬です。
まとめ
ガバペンチンは、てんかん治療薬として開発された薬ですが、現在は痛みの管理や猫の通院ストレスの軽減などにも広く利用されています。内弁慶な子では、ご相談ください。
病院が苦手な猫に対して、無理な保定を減らし、できるだけ穏やかに診察を受けてもらう。そのための選択肢の一つがガバペンチンです。
▼ 関連記事
→ 犬と猫の「しこり」と痛み