「手術・抗がん剤・放射線」どれを選ぶ?後悔しない治療の選び方

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

検査の結果、もし「がん」だと分かったら、これからの治療をどう進めるか決めていくことになります。大切なのは、それぞれの治療の「得意・不得意」を知り、その子の今の状態に一番合うものを選ぶことです。

しこりについて全体像を知りたい方は「腫瘍トップ」をご覧ください。

1. 手術:物理的に取り除く「根本治療」

手術は、目に見える腫瘍を物理的に切り取る方法です。一箇所に固まっている腫瘍であれば、もっとも根治(完全に治ること)が期待できる強力な手段となります。

ただし、全身麻酔が必要になるため、持病や年齢による体力の確認が欠かせません。また、場所によっては「すべてを取り切るのが難しい」というケースもあります。

つまり、効果は高いが取り切れる腫瘍に限りがあります。

外科手術にはマージンが必要です。

2. 抗がん剤:全身をケアする「内科的治療」

飲み薬や注射で、全身に薬を届ける方法です。リンパ腫のように全身に広がるタイプのがんや、すでに転移の可能性がある場合、あるいは手術後の再発防止として使われます。

「副作用が怖い」というイメージも強いですが、動物の場合は人間ほど重篤な症状が出ないよう調整するのが一般的です。通院で治療を続けられるのが大きな特徴です。

つまり、腫瘍の種類や体調により制限があります。

抗がん剤の投与設計はこちら

3. 放射線:切れない場所を狙い撃つ「ピンポイント治療」

高いエネルギーを当てて、がん細胞を死滅させる方法です。脳や鼻の中など、手術で切り取ることが難しい場所にある腫瘍に対して非常に有効です。

ただし、高度な専門設備が必要なため、治療を受けられる病院が限られます。また、照射中に動かないよう、回数分の短い麻酔が必要になる点は知っておくべきポイントです。

つまり、施設や複数の麻酔が制限となります。

放射線治療の詳細はこちら

どうやって治療を選べばいい?

治療を選ぶときは、以下の4つのポイントを基準に考えてみてください。

• 治療手段が使えるか

腫瘍の種類やステージがからどの治療が選択肢に上がるか確認しましょう。全身に広がっている腫瘍には手術は使えません。

• 「完治」か「緩和」か

がんを完全になくすことを目指すのか、それとも痛みや苦しさを取って、穏やかな時間を1日でも長く過ごす(QOLの維持)ことを優先するのか。これによって選ぶ治療は大きく変わります。

• その子の体力と年齢

「15歳の高齢犬に、長時間の麻酔をかけて手術をするべきか?」といった判断です。体への負担と、治療で得られるメリットのバランスを考えます。

• ご家族の生活スタイル

毎週の通院が可能か、入院が必要な治療に対応できるか、費用面で無理がないか。治療は続いていくものですから、ご家族が「これなら続けられる」と思える選択が、結果としてその子のためにもなります。

高齢だからと治療を諦めていませんか?

最後に:納得して進めるために

治療の正解は一つではありません。まずは獣医師に「この治療をした場合、この子の生活はどう変わりますか?」と、予後の生活(QOL)について詳しく聞いてみてください。

納得のいく選択をすることが、その子との後悔のない時間に繋がります。一つずつ、一緒に考えていきましょう。

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