なぜ獣医師によって方針が違う?

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執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)

しこりやがんが見つかったとき、「すぐ手術しましょう」と言われることもあれば、「様子を見ましょう」と言われることもあります。飼い主さんからすると、「どちらが正しいの?」と不安になるかもしれません。

獣医師によって治療のすすめ方が違うことがあります。これは、「何を大切にするか」が少しずつ違うためです。

例えば、
・がんを小さいうちに取りたい
・まず痛みを減らしたい
・高齢なので麻酔を慎重に考えたい
・生活の質(QOL)を優先したい
・通院負担を減らしたい

など、同じ病気でも重視する点が変わることがあります。さらに、動物医療では「絶対の正解」が一つに決まらないことも少なくありません。年齢、体力、性格、持病、腫瘍の種類、進行度、飼い主さんの生活環境。これらが全部違うからです。

例えば、15歳の犬に大きな手術をする場合。

「少しでも長く生きられる可能性」を重視する先生もいれば、「今の穏やかな生活を守ること」を重視する先生もいます。これは飼い主さんと同じです。

若い頃は、新しく出た薬やサプリ、治療法にすぐ飛びつきました。もちろん今でも、新しい選択肢は大切だと思っています。ただ、診療を続ける中で、「効くこと」と、「幸せに過ごせること」は、必ずしも同じではないと感じる場面も増えてきました。

食べられること。
眠れること。
家で穏やかに過ごせること。
通院を減らすこと。

腫瘍を制御する以外にも重要なことがあります。何を優先したいか」を一緒に考えることです。不安なときは、遠慮なく理由を聞いてください。

・なぜ手術をすすめるのか
・なぜ様子見なのか
・何を心配しているのか
・他に選択肢はあるのか

知ることで、獣医師の頭の中にある考えを引き出し、納得した治療法を選んでください。

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