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10歳のきみへ。
犬が人を噛むのには理由があり、多くの場合は「悪い犬だから」ではありません。
犬が人を噛むと、「この犬は悪い犬なのかな」「危ない犬なのかな」と思うかもしれません。でも、多くの場合、犬は好きで噛んでいるわけではありません。犬にとって「噛む」は、自分の身を守るための最後の方法になることがあります。
私たちは、嫌なことに対して「やめて」と言うことができます。逃げることもできます。でも、犬は言葉で「やめて」と言うことができません。逃げようとしても、リードにつながれていたり、人の手が近づいてきたりすると、避けられません。
そのとき、犬は「もう噛むしかない」と感じることがあります。
噛む前に、小さなサインがあります
犬は、本当はいきなり噛んでいるわけではないことがあります。顔をそらす。固まる。耳を下げる。しっぽが下がる。うなる。口を閉じる。体を低くする。
こうした小さなサインで、
「やめて」
「近づかないで」
「こわい」
と伝えていることがあります。でも、人がそのサインに気づけないと、犬は「もっと強く伝えないと分かってもらえない」と感じることがあります。
遊びたくて噛むこともあります
犬は、遊びたいときにも口を使うことがあります。とくに子犬は、手や服を噛んで遊ぼうとすることがあります。だから、手を噛んできたら、手で遊び続けるのではなく、おもちゃを使って遊びます。
手は噛むものではなく、なでたり、ごほうびをくれたりするもの。そう伝えていくことが大切です。
かわいいから触りたい、でも犬にも気持ちがあります
「かわいい」
「抱っこしたい」
「遊びたい」
これは自然な気持ちです。
でも、犬にも「いや」という気持ちがあります。寝ているとき。ごはん中。痛いところを触られたとき。逃げられないとき。
こういうときに無理に触ると、犬はこわくなることがあります。人でも、嫌なことを無理にされるとつらいですよね。犬も同じです。
しつけは、もぐら叩きではありません
犬が噛んだからといって、すぐに強く叱ればよいわけではありません。犬が行動するたびに叱ると、犬は「何が悪いか」より、「人がこわい」と覚えます。しつけは、もぐら叩きではありません。怒る人は嫌いでしょ。
大切なのは、犬が安心して暮らせると、噛む必要が減っていくことがあります。
噛まれないために、きみにできること
10歳のきみにできることがあります。
寝ている犬を急に起こさない。
ごはん中に手を出さない。
嫌がっている犬を追いかけない。
うなっている犬に近づかない。
知らない犬には、勝手に触らない。
そして、犬がこわがっているように見えたら、大人に伝えてください。
「この犬、ちょっといやそう」
「今は触らない方がいいかも」
犬を守ることにもなりますし、きみ自身を守ることにもなります。
まとめ
犬が噛んだとき、「悪い犬」と決めつける前に、少し考えてみてください。
こわかったのかもしれません。
痛かったのかもしれません。
逃げられなかったのかもしれません。
やめてほしかったのかもしれません。
遊びたいのかもしれません。
噛む犬を叱る前に、「何に困っているのだろう」と考えること。それが、人と犬が安心して暮らすために大切なことです。
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