秋の散歩道や草むらでは、稲穂のように先が尖った草の種が犬の鼻や耳に入り込むことがあります。特に「芒(のぎ)」と呼ばれるトゲ状の部分をもつ種は、表面に細かな返しがあり、一度入り込むと自然には抜けにくいのが特徴です。
執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
鼻に草の種が入ったときの症状
鼻に入った場合は、突然激しくくしゃみを繰り返したり、鼻を前足でこすったりします。片側の鼻から鼻水や血が出ることもあります。
しばらくすると症状が軽くなることがありますが、「くしゃみが止まった=取れた」とは限りません。鼻の奥に残ったまま炎症を起こし、後になって膿のような鼻水や出血が続くことがあります。
突然のくしゃみがすべて異物とは限りません。発作的に鼻から空気を吸い込むような症状では、逆くしゃみとの区別も必要です。
耳に草の種が入ったときの症状
耳に入った場合は、急に頭を振る、耳をしきりに掻く、頭を片側に傾けるといった症状がみられます。草の種が耳道の奥へ進むと、強い痛みや外耳炎を起こし、鼓膜付近まで入り込むこともあります。
散歩の直後から突然耳を気にし始めた場合、とくに草むらを歩いた直後であれば、草の種による異物も疑います。
無理に自宅で取ろうとしない
入口付近に種が見えていて簡単につまめる場合を除き、ピンセットなどを鼻や耳の奥へ入れて取ろうとするのはおすすめできません。犬が動いた拍子に異物をさらに奥へ押し込んだり、鼻や耳を傷つけたりする危険があるためです。
動物病院では耳鏡や内視鏡などを使って異物の位置を確認し、必要に応じて鎮静や麻酔をかけて摘出します。
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散歩の直後に急な症状が出たら注意
草の種による異物では、「さっきまで何ともなかったのに、散歩から帰って突然くしゃみを始めた」「急に頭を振って耳を気にする」といった急な変化が特徴です。
時間がたつと異物が奥へ移動したり、炎症によって見つけにくくなったりすることがあります。「そのうち取れるだろう」と様子を見すぎず、症状が続く場合は早めに動物病院を受診してください。
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