春や秋など季節の変わり目には、「食欲が落ちた」「吐いた」「便がゆるい」「なんとなく元気がない」といった相談が増えることがあります。犬や猫の体は、気温や湿度などの環境変化に合わせて体温や血流、消化管の動きなどを調節しています。ところが、朝晩と昼間の気温差が大きかったり、天候が短期間に変化したりすると、この調節に負担がかかります。特に子犬・子猫、高齢の犬猫、心臓病や関節疾患などの持病がある場合は注意が必要です。
執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
寒暖差で体温調節に負担がかかる
犬や猫は人のように全身から汗をかいて体温を調節することができません。暑いときにはパンティングや皮膚の血流を増やして熱を逃がし、寒いときには血管を収縮させて熱を保ちます。昼は暑く朝晩は冷えるような時期には、こうした調節を何度も繰り返すことになります。その結果、活動量や食欲が低下したり、胃腸の動きが不安定になって嘔吐や軟便がみられたりすることがあります。
気圧や湿度の変化で症状が目立つことも
天候の変化に伴って、関節炎など慢性的な痛みのある犬猫で動きが悪くなったり、元気が低下したりすることがあります。ただし、「低気圧だから病気が悪化する」と単純に決めつけることはできません。持病のある犬猫では気候の変化と症状が重なることがあるため、毎日の様子を記録しておくと診察時の参考になります。
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猫では飲水量と尿の変化にも注意
気温が下がると、猫では飲水量や活動量が減ることがあります。もともと猫は濃い尿を作る動物なので、水分摂取が少なくなると尿がさらに濃くなり、膀胱炎や尿路トラブルの一因になることがあります。特にオス猫で、何度もトイレに行くのに尿が出ない、鳴きながら排尿姿勢をとるといった場合は尿道閉塞の可能性があり、緊急性があります。
季節の変わり目は「いつも通り」を意識する
室温を急激に変えない、飲み水を複数か所に置く、食事量を急に増減させない、適度な運動を続けるといった日常管理が基本です。換毛期にはブラッシングを増やすことで、猫の毛球症予防にもつながります。季節の変化だけを原因と考えず、嘔吐や下痢が続く、食べない、呼吸が苦しそう、歩き方がおかしい、尿が出ないといった症状があれば、早めに動物病院を受診しましょう。
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