自壊腫瘍の処置では麻酔が必要なことがあり躊躇されます。ここで紹介するMohsペーストは2012年ごろから私たちは開始し、いくつかの工夫を重ねこの方法に落ち着きました。自壊腫瘍の写真が出てきますので見たくない方は、こちらの記事犬と猫の自壊腫瘍|出血・悪臭への対処をご覧ください。
執筆:圓尾 拓也(腫瘍科認定医・獣医学博士)
結論
出血・臭い・痛みを抑える
“負担の少ない緩和治療”です
今すぐお困りの方は、
鵠沼海岸どうぶつ病院の福山先生にご相談ください。
しっぽの付け根の悪臭で困っていました

おそらく肛門周囲腺腫。自壊による悪臭と出血がありました。

福山先生が開発したmoM-CMC 2.0を塗布しました。

上皮化して出血や悪臭は消失しました。
背中の傷を気にしていました

しっぽの付け根の自壊腫瘤。気にして舐めていました。

1回の処置で治りました。
同じような状態でも、すべての腫瘍に適応できるわけではありません。
状態によって選択肢が変わるため、判断が重要になります。
補足
・自壊した腫瘍の止血や悪臭の軽減に有効
・高齢や持病で麻酔が難しい場合にも対応可能
・1〜数回で改善するケースもあります
手術が難しい場合でも、症状を和らげることは可能です
FAQ
モーズペーストはどんな腫瘍に使えますか?
主に、皮膚にできた腫瘍で「出血」「悪臭」「自壊(崩れている状態)」がある場合に適応になります。
すべての腫瘍に使えるわけではないため、状態を確認したうえで判断します。
→ 自壊腫瘍に対するMohsペーストの使い方
痛みはありませんか?
塗布時に刺激を感じることはありますが、多くの場合は強い痛みはありません。
むしろ、処置後は出血や炎症が落ち着くことで、痛みが軽減するケースが多いです。
何回くらいの処置が必要ですか?
腫瘍の大きさや状態によりますが、1〜数回で改善が見られることが多いです。
ただし、完全に治すことが目的ではなく、症状を和らげるための治療です。
手術の代わりになりますか?
手術の代わりになる治療ではありません。
腫瘍そのものを完全に取り除くことはできないため、あくまで「出血や臭いなどの症状を抑えるための治療」となります。
→ 犬・猫のがん治療をしない選択
高齢でも受けられますか?
はい。全身麻酔を使わないため、高齢の犬や猫、持病がある場合でも選択肢になることがあります。
体調を確認しながら、安全に配慮して行います。
→ 15歳の犬でも腫瘍の手術すべき?麻酔リスクと判断基準
自宅でできますか?
取扱は難しいので、自宅では使用できません。自宅で使うと、人にも害が出る、塗布したものが流れて不要なところまで傷つける可能性があります。場合によっては目に入ると危険ですので、この薬剤はお渡しできません。動物病院内でのみ使用可能です。
▼ 自壊腫瘍の処置について相談したい方へ
→ 腫瘍診療について